テレビ東京で17日から始まる『イ・サン』が序盤で描く事件に大注目!

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「韓国時代劇の巨匠」と称されるイ・ビョンフン監督が演出するドラマ『イ・サン』は、冒頭からとてもスリリングな展開となっている。思悼世子(サドセジャ)が英祖(ヨンジョ)によって米びつに閉じ込められて餓死する事件が象徴的に描かれているのだ。

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それは、史実でいうと1762年の出来事だった。思悼世子は英祖の息子として「次の国王」が約束されていたのに、素行の悪さが問題となってしまい、堪忍袋の緒を切らした英祖が思悼世子を米びつに監禁してしまう。

衝撃を受けたのが、思悼世子の息子のサンだ。ドラマでは10歳のサンが米びつの中にいる思悼世子に食べ物を渡そうとする。しかし、父はそれを受け取らず、息子に遺言を残す。

「かならず聖君になれ。何があっても、私のことで恨みを抱いてはいけない。憎しみと怒りで身を滅ぼしてはならないのだ。わかったか、サンよ。父の教えを守れるな」

父からそう念を押されたサンは、最後まで父の助命を英祖に懇願するが、まったく取り合ってもらえなかった。

画像=MBC

重要な問題提起

結局、父はサンの願いもむなしく餓死してしまう。このように、「朝鮮王朝最大の悲劇」とも言われた大事件が描かれたのは『イ・サン』の第1話から第3話までなのだが、そこではサンが父を慕う気持ちが強烈に描写されていた。

実際、『イ・サン』というドラマは、子が親に孝をつくす儒教的な心情が濃厚に扱われていた。朝鮮王朝の歴史を正式に記した『朝鮮王朝実録』によると、史実のサンは周囲の反対を押し切って祖父の英祖に対して父の助命を願い出ている。しかし、それは叶わなかった。

失意のサンではあったが、父の遺言をしっかり守って名君への道を立派に歩んでいく。そのプロセスを堂々と描いたのが『イ・サン』というドラマの真骨頂であり、サンの原点という意味でもドラマの冒頭場面は本当に重要な問題提起を示していた。

それだけに、不朽の名作と言われる『イ・サン』の序盤について、まずは大いに注目しておきたい。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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