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完結した『テプン商事』が残したもの―ジュノが繋いだ「世代」と「時代」

2025年12月01日 話題 #Netflix #写真
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Netflixでも配信されているドラマ『テプン商事』は、人々に“テプン精神”を再び確認させたとして韓国で話題だ。韓国ではテレビ局tvNの土日ドラマとして放映されているが、放送終了を目前に控え、“世代と時代”をつなぐドラマとして浮上している。

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巨大な成功譚ではなく、ただ与えられた一日を耐え抜くために息を整え、再び立ち上がらなければならなかった平凡な人々の胸熱いサバイバル記を描き出し、韓国経済が冷え込んだIMF時代を耐え抜いた“テプン精神”を今日の視聴者に甦らせているというのだ。

『テプン商事』が描いた韓国の時代背景は、1997年のIMF通貨危機である。その中で社員たちの“食い扶持”の重さを背負った中小企業社長(イ・ジュノ演じるカン・テプン)、家族の生計を支える長女(キム・ミンハ演じるオ・ミソン、より良い明日のために今日の苦しさを耐える青年や会社員たちのように、時代の崖っぷちを直撃せざるを得なかった小市民の叙事に注目した。

(写真提供=tvN『テプン商事』)

時代の巨大な波にのみ込まれた人々が、どんな思いで当時の日々を耐え抜いたのかを通じ、倒れても再び立ち上がろうとした人々の過去の人生を現実的な視点で照らし出した。

カン・テプン(イ・ジュノ)とオ・ミソン(キム・ミナ)はまさにあの時代を代表する顔となった。

花と音楽を愛したテプンが父(ソン・ドンイル)の死後、一夜にして一家の大黒柱であり社長となり、崩れゆく会社を守るために奔走する。

家族の生計を背負う長女ミソンが自らの力で商社マンの道を切り開いていかなければならなかった過程は、当時のIMF世代が耐えなければならなかった現実を想起させる。

ふたりの物語には、派手な成功の瞬間よりも、実を結ぶために耐え抜く過程に込められた連帯と希望が濃くにじんでいた。

そして、ふたりのそばには、同じ時間を耐え抜いたテプン商事の社員たちがいた。

生まれたばかりの第二子を抱き、より重くのしかかる一家の責任を感じながら営業最前線に立つコ・マジン(イ・チャンフン)、崖っぷちに追い詰められ一瞬は誤った選択をしたが、過ちを正すために奮闘するチャ・ソンテク(キム・ジェファ)、社会の中で徐々に透明人間のように押し出されていく瞬間にも、時間をかけて咲く蘭のようにテプン商事で自らの居場所を証明しているク・ミョングァン(キム・ソンイル)、テプン商事にX世代ならではのエネルギーで決定的役割を果たすペ・ソンジュン(イ・サンジン)まで、IMF経済危機時代の波を共に耐え抜いていた。

ドラマではテプン商事の外にも、自らの人生の重さを抱えて今日を生き抜いた人々を描いた。

家が一瞬で破産しても「ここで倒れるものか。自分が一家の大黒柱なのだから頑張って生きなければ」と汗を流して働くワン・ナムモ(キム・ミンソク)、客室乗務員最終合格が取り消されても姉の大学進学のために百貨店案内係として一日を耐え抜いたオ・ミホ(クォン・ハンソル)、江南の主婦から月の光が差す町工場のミシン工になり「息子にご飯だけは絶対に食べさせる」と毎日たっぷりの夕食を用意するチョン・ジョンミ(キム・ジヨン)、32年勤めた銀行が一夜にして閉鎖され追い出され、信じがたい詐欺の被害まで受けながらも再び立ち上がり清掃の仕事に出るキム・ウルニョ(パク・ソンヨン)まで。それぞれの場所で“テプン精神”を発揮し、今日を耐え抜いた。

『テプン商事』はこれら登場人物たちを通じて韓国IMF世代への深い敬意を伝えた。危機の中でも諦めず再び立ち上がり、苦しいときほど手を取り合い、“人の力”が最も美しいという信念で一日を耐え抜いた人々。

倒れ揺れながらも、それでも再び生き抜くために今日をつかんだ彼らの人生こそが、現在の韓国を作った力であるというメッセージがドラマ全体を貫く。同時に、熾烈な今日を生きる現代の若者にもエールを送った。IMFを直接経験したX世代には当時の切実さと生存の記憶を、MZ世代には両親世代が背負った現実の重さと尊厳を振り返らせた。

第15話は11月29日(土)、最終回の第16話は11月30日に放送・配信された『テプン商事』。その最後の結末にもさまざまなメッセージが込められた名作だった。

(記事提供=OSEN、加筆=韓ドラLIFE)

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