それは、日本を揺るがす社会現象だった。「ヨン様」と称されたペ・ヨンジュンが2004年4月に初めて来日にしたとき、羽田空港には5000人のファンが熱狂的な声援を送った。
それほどの「空港の大騒動」はなかったことだったので、一気にペ・ヨンジュンの名前が日本全国に知れ渡った。彼が主演した『冬のソナタ』は大人気となり、その後日本で爆発的な韓流ブームが起こった。
その立役者であるペ・ヨンジュンは、貴公子のようなルックスと謙虚な人柄で、日本の多くの女性を虜(とりこ)にした。2007年には『太王四神記』に主演して俳優としてもトップクラスの活動を続け、来日するたびにファンから大歓迎を受けた。
忘れられないのが2009年9月だ。『冬のソナタ』で共演したチェ・ジウと一緒に来日して東京ドームで2日間の大イベントも行っている。当時の大観衆の興奮ぶりがまだ目に焼き付いている。本当にカリスマ性のある大スターだった。
その後もペ・ヨンジュンのさらなる活躍が期待されたのだが、彼は2011年に『ドリームハイ』に特別出演をしただけで、それ以降のドラマ出演はなかった。来日するたびに「新しいドラマでご挨拶します」と語っていたのだが、新作ドラマは作られなかったのだ。
そんなペ・ヨンジュンには実業家としての顔もあった。2006年に芸能プロダクション「KeyEast」を設立して、同社を大きく育てた。プライベートでは、2015年に女優のパク・スジンと結婚し、翌年に第1子、2018年に第2子が誕生して、ペ・ヨンジュンは2児の父親となっている。
2025年1月現在は芸能活動を行っていない。むしろ、将来性のある企業を支援する投資家として活動が伝えられている。しかし、ペ・ヨンジュンに関する嬉しいニュースもある。ドラマ『冬のソナタ』が高画質の劇場用映画として製作・編集されているのだ。ユン・ソクホ監督もこの作業の全過程に積極的に参加している。
日本では2025年冬の公開を目指しているという。韓流ブームの記念碑的な作品の映画化だけに、絶対に見てみたい。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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