デートも事件も涙もここで。なぜ韓ドラに「漢江(ハンガン)」は欠かせないのか?

2025年07月06日 コラム #佐々木夏美
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ラブコメ、サスペンス、ホラー…。ジャンルを問わず、韓国ドラマや韓国映画に欠かせない舞台がある。それが「漢江(ハンガン)」だ。

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ソウルの中心を悠々と流れるこの川は、単なる風景を超えて、物語に深みや余白をもたらす“ドラマの聖地”とも言える。漢江沿いには全11カ所の漢江公園が点在し、週末ともなればピクニックを楽しむ家族連れやカップルでにぎわう。テントを広げ、バドミントンを楽しむ声。コンビニで買った袋ラーメンや、配達されたチキンとビール――通称「チメク」を片手に過ごす、まるで映画のような光景が広がっている。

もちろん、昼の漢江も魅力的だが、夜になるとその表情は一変する。

ライトアップされた橋、噴水のショー、そして静けさの中に響く人々の笑い声。川沿いでは、恋人たちが未来を語り合い、友人同士が悩みを打ち明ける。そこには、誰にも邪魔されない“自分たちだけの時間”が流れている。

そんな“ドラマのような風景”は、実際に多くの韓国ドラマや映画にも登場する。

漢江
(写真=韓ドラ・時代劇.com編集部)
漢江に売られているラーメン
(写真=韓ドラ・時代劇.com編集部)
漢江
(写真=韓ドラ・時代劇.com編集部)

たとえば、6月に放送を終えたドラマ『未知のソウル』。

田舎に暮らす高校生のミジ(演者パク・ボヨン)とホス(演者パク・ジニョン)が、いつかソウルへ行ったらやりたいことをリストアップする場面がある。その中の一つに「漢江に行く」という夢があった。しかし、ミジが足を怪我し、心を閉ざしてしまったことで、その約束は果たされずにいた。

それから年月が経ち、大人になったミジとホスは、ついにその約束を実現させる。初めて漢江を訪れたミジが少女のようにはしゃぎながら喜ぶ姿は、多くの視聴者の胸を打った。

パク・ボヨン
(画像=tvN『未知のソウル』)

人気ドラマ『キング・ザ・ランド』でも、漢江はデートの舞台として描かれている。

サラン(演者イム・ユナ)とウォン(演者イ・ジュノ)は、漢江で夜風に吹かれながらビールを片手に餃子やラーメンを味わい、穏やかで心温まるひとときを過ごす。

『キング・ザ・ランド』
(画像=JTBC)

もちろん、ラブシーンだけではない。

映画『グエムル -漢江の怪物-』は、そのタイトルからして舞台が漢江であることを示している。

広大な川を巨大な怪物が跳ね回り、人々を襲う姿は衝撃的で、今なお多くの観客の記憶に残るシーンだ。

また映画『華麗なるリベンジ』では、イ・サンミン演じる検事ウ・ジョンギルが、証拠品を漢江に投げ捨て、証拠隠滅を図る緊迫のシーンが登場する。

このように漢江は、ラブコメでは定番のデートスポットとして、サスペンスやミステリーでは“証拠の受け渡し”や“秘密を葬る場所”として、多彩な役割を果たしている。

なぜこれほどまでに漢江がドラマに登場するのか。それは、ここが単なる場所ではなく、「人の気持ち」が交差し、「物語」が自然に生まれる場所だからだろう。

漢江は、きっと今日もまた、新しいドラマを静かに見守っている。

漢江
(写真=韓ドラ・時代劇.com編集部)

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