韓国ドラマに必ずといってもいいほど登場する緑色の瓶に入ったお酒。ショットグラスに注いでグイっと一気飲みして楽しんでいる場面が印象的だ。このお酒、「チャミスル」と聞くと、ピンとくる方も多いのではないだろうか。これは「ソジュ」と呼ばれる所謂「焼酎」だ。
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筆者が交換留学をしていた2014~2015年当時、韓国で飲むお酒と言えばオリジナルのソジュをストレートで飲むかビールの二択。お酒の席が盛り上がってくると、そこへソジュとビールを混ぜた爆弾酒(ソメク)が時々放り込まれていた。
その時と比べるとお酒の種類自体が増えて、ソジュにもさまざまなフレーバーが仲間入りしている。そこで今回は、韓国のお酒の種類について紹介していきたいと思う。
◆チャミスル(참이슬)
ハイト眞露が製造元のソウル・京畿道のご当地焼酎。日本の韓国料理店でよく目にするのも、この名前だという方が多いだろう。韓国でも全国的に人気だ。
2025年現在、シンガーソングライターであり、話題のドラマ『おつかれさま』などに出演し、俳優としても活躍しているIUが広告モデル。
◆チョウムチョロム(처음처럼)
チャミスルと同じく人気が高いチョウムチョロムは、江原道のご当地焼酎。製造元はロッテ七星飲料。口当たりがやわらかく、女性からの人気が高いのだとか。
2025年現在、2人の俳優が広告モデルを務めている。一人目は『涙の女王』などに出演したキム・ジウォン、そして二人目は『D.P. -脱走兵追跡官-』などに出演し、映画監督としても活躍するク・ギョンファン。
◆チョウンデー(좋은데이)
ハイト眞露のチャミスルが、唯一入り込めなかった地域といわれている釜山。そこで高い人気を誇っているのが、ムハクが製造元のチョウンデーである。
ブルーベリーやパイナップル、青リンゴなど、フルーツ風味のソジュが多数展開されている。フレーバーが付いており飲みやすいが、アルコール度数は16度以上ある。飲みすぎには注意が必要だ。
◆イプセジュ(잎새주)
宝海醸造株式会社が製造元の全羅南道のご当地焼酎。ノリョン山脈の地下253m天然岩盤水を使用している。「ミストロット」で1位を獲得したトロット歌手のソン・ガインが広告モデルを務めている。
2025年限定版、映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』とコラボしたパッケージのソジュも販売予定だそう。全羅南道へ旅行する予定の方は、ぜひ見つけてみてほしい。
◆シウォナンチョンプン(시원한 청풍)
チュンボクソジュが製造元の忠清北道のご当地焼酎。忠清北道は国際空港がある「清州」や『愛の不時着』のロケ地としても有名な忠州(チュンジュ)が位置する地域。
忠北椒水里の鉱泉水を使用して造られているのが特徴。アルコール度数は17.5度と20.5度の2種類を展開している。
◆ソニャンリン(선양린)
イジェウリン(이제우린)から맑을린(マルグリン)、そして2025年5月に선양린(ソニャンリン)にリニューアルされた、忠清南道のご当地焼酎。
広告モデルはなんと、販売元のソニャンソジュの会長が自ら務めているのだそう!パッケージは、ソニャンの象徴でもあるクジラのキャラクターを採用、そしてソジュお馴染みの緑の瓶にリニューアルされた。
◆チャムソジュ(참소주)
大邱(テグ)や慶尚北道(キョンサンブッド)で圧倒的な人気を誇る、金福酒が製造元のご当地焼酎。慶尚北道の居酒屋で「ソジュください」というと、特に指定をしない限りはこの「チャムソジュ」が出てくる。
大邱に留学していた筆者は、ソジュといえばこのチャムソジュ(참소주)だった。もともとは「マシンヌンチャム(맛있는 참)」という名前だったが、2021年に「ケックタンアッチムチャム(깨끗한 아침 참)」に変更されている。
◆ハルラサン(한라산)
ハルラサンが製造元の済州島のご当地ソジュだ。こちらも済州島でのシェアはNo.1。
韓国焼酎の中でも一番高い度数があるが、さっぱりとした口当たりで済州島民でない人々からも愛されているのだそう。最近はソウルや京畿道など、他の地域でも手に入るようになったとのこと。
2024年秋に韓国旅行へ行った際に驚いたのは、ハイボールが流行っていたこと!日本のハイボールはウイスキーを炭酸水で割っているためよりお酒の味が強く出ているイメージだが、韓国のハイボールはトニックウォーターでウイスキーを割るので、甘いのが特徴だ。
◆生レモンハイボール / 生ライムハイボール(CU)
このハイボール人気を受けて発売されたのが、韓国の大手コンビニ「CU」の生レモンハイボールと生ライムハイボール。広口のフルオープンタブを採用し、缶を開けるとレモンスライスが浮かび上がってくる。
この商品以外にも、CUからはSHINeeのKEYがプロデュースしたバジルトマトフレーバーとキウイフレーバーのカクテルなど、多様な種類のお酒が続々と発売されている。
◆イスルトクトク(이슬톡톡)
2016年3月に韓国で発売されたハイト眞露のチューハイ。アルコール度数は3%で、ピーチ味・ブドウ味・パイナップル味などがある。2023年には日本でも販売開始され、韓国で未発売のゆず味が仲間入りしている。
日本でいう「ほろよい」のような立ち位置のチューハイ。アルコール度数の高い韓国のお酒が多い中で、比較的飲みやすい商品ではないだろうか。
◆ホガム(호감)
柿が原料の果実酒。「호랑이가 사랑한 단감(トラが愛した甘柿)」の一番最初の文字と一番最後の文字を取って「ホガム(호감)」と名付けられた。アルコール度数は6%で、柿の果汁が15.7%含まれている。ほんのり甘く、知らないうちにお酒が進んでしまう味。コンビニでも手に入れられるうえ、最近では取り扱う街中の居酒屋も増えてきたそう。
以前よりもお酒の選択肢が増えた韓国。もはや定番ともなっているソジュやビール、マッコリはもちろん、コンビニのお酒売り場を探索し、新しく発売されたお酒をディグるのも楽しいのではないだろうか。
(文=豊田 祥子)
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