最近では日本でも買えるようになった韓国のインスタントラーメン。
黄色っぽい両手鍋でインスタントラーメンを作り、鍋の蓋をお皿の代わりにして食べる…韓国ドラマを見ている方は、きっと一度は遭遇したことのあるシーンではないだろうか。
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赤いスープに立ち上る湯気、ちぢれ麺をフーフーしながら美味しそうにすする俳優さんを見ていると、無性にインスタントラーメンを食べたくなってしまうのは私だけではないはずだ。
実は、インスタントラーメンの消費量が世界一といわれている韓国。
スープの色は赤く、辛いものが多い印象。麺にジャガイモのでんぷんを混ぜており、もちもちした粘り感があるのが日本の麺との違いだ。
また、日本だとインスタントラーメンは家で食べるものという印象があるが、韓国では飲食店でもプデチゲや鍋の〆など幅広く使われている。
コロナ禍以降、日本でも韓国ドラマ・韓国文化ブームが続いており、エンタメや食文化に興味を持つ人たちも増えてきた。今回は、手軽に手に取れる韓国食品のひとつでもあるインスタントラーメンのおすすめを紹介していく。
①辛ラーメン(신라면)
日本で一番有名な韓国インスタントラーメンといっても過言ではない商品だ。1986年の発売以降、韓国のみならず世界中の人から愛されており、現在は約100カ国に輸出。韓国ラーメン市場でも、25%のシェアを占めているそう。
真っ赤なスープが特徴のピリ辛味で、牛骨ベースに唐辛子やにんにくなどを効かせた濃厚な風味が特徴。麺はやや太めでコシが強いものを採用している。
②ジンラーメン(진라면)
こちらは筆者イチオシのラーメン!BTS・JIN(ジン)がグローバルモデルになったことでも知られている。もちもちで柔らかい麺と濃い牛肉スープで、やや辛さ抑えめのマイルドと、しっかり辛い辛口のふたつから選べるのが、辛いものに慣れていない日本人にとって嬉しいポイント。
ちなみに筆者が好きなのは「マイルド」。ラーメンを食べ終わったあとに、白ご飯とチーズもしくは卵を入れて食べるのがおすすめ。一袋で二度楽しめるインスタントラーメンなのだ。
③ユッケジャン(육개장)
農心社初の容器タイプラーメンとして、1982年に韓国で発売した商品。他のインスタントラーメンと比べると麺はやや細めだ。スープは韓国料理の定番「ユッケジャン」を再現して作られており、ピリッと辛い。
コンビニでカップラーメンを買って、イートインスペースやお店の前に設置されているテーブルと椅子に座りながら食べる、といったシーンを見たことがある方も多いのではないだろうか。そこでよく登場しているのも、このユッケジャンのことが多い。
筆者が韓国留学をしていた2014~2015年頃は、確か100円を切るか切らないかぐらいの値段だったと記憶している。大学生にとって非常にありがたい商品でもあった。
④チャムケごまラーメン(참깨라면)
麺にごまが練り込まれているインスタントラーメン。さっぱりとしたスープには卵ブロックが入っている。付属の油性スープを入れると、ピリッとする辛さと香ばしい麺が絡み合い、さらにおいしくなる。
マイルドな辛さなので、初めて韓国のインスタントラーメンに挑戦する方にもおすすめだ。追いごまをしてみてもおいしそう。
⑤三養(サムヤン)ラーメン(삼양라면)
1963年の誕生以降、愛され続けている韓国初のインスタントラーメン!スープは、ピリッと辛さが効いている牛だし風味。
韓国ドラマ『イカゲーム』のシーズン1で、お酒のつまみとして調理せずに砕いてそのまま食べたことでも話題になった韓国の元祖インスタントラーメンだ。
⑥ノグリ(너구리)
他のインスタントラーメンと比べると太めの、うどんのような麺が特徴の商品。丸くてぽっちゃりとした麺がタヌキのようだということで、韓国語でタヌキを意味する「ノグリ」がブランドネームとなったそう。
スープは、唐辛子・貝・いか・えび・かつおなど、さまざまな海鮮を取り入れて作られている。もちもちとした麺とピリ辛のスープが絡み、食べ応えもばっちりだ。
⑦チャパゲティ(짜파게티)
これまで紹介したインスタントラーメンとは一味違う商品。韓国風のジャージャー麺をインスタントで作れる。
韓国映画『パラサイト 半地下の家族』の劇中に出てきたことでも話題になった「チャパグリ」。実はこれ、さきほど紹介した「ノグリ」と「チャパゲティ」を混ぜたもの。90年代に兵役中の軍人の間で話題になり、そこから一般の人々の間にも広がっていったそう。
⑧サリコムタン(사리곰탕)
韓国のインスタントラーメンでは珍しく、スープが赤くない(!)商品。コムタン仕立てのスープで、牛骨と牛肉をじっくり煮込んでおりコクがある。
留学生時代、辛い味付けの料理に少し疲れてしまったとき、寮の食堂のメニューが自分好みじゃなかったとき…。助けてもらった思い出のラーメンでもある。辛いのは苦手だけれど、韓国のインスタントラーメンには挑戦してみたい!という方にぴったりだ。
漢江沿いで、心地よい風を浴びながら食べるラーメン。漢江と名の付く公演は11個ほどあるが、公園の広さなどを加味すると「汝矣島漢江公園」や「盤浦漢江公園」がおすすめ。
筆者が2024年の11月に韓国旅行した際に漢江ラーメンを食べたのは「汝矣島漢江公園」。地下鉄5号線の汝矣ナル駅を出てすぐ到着する。
レジャーシートと簡易テーブルがセットになった、ピクニックセットを借りられる屋台は点在しているので、手ぶらで向かってOKなのも嬉しい。準備が整ったら、漢江のすぐ近くにあるコンビニへラーメンを買いに向かう。袋麺を購入すると店員さんがラーメン用の紙皿をくれるので、麺とかやくを入れて専用の機械で調理!
周囲は思い思いにピクニックなどを楽しむ、ソウルの人々で溢れていた。そんな独特の雰囲気を楽しめるのも、この漢江沿いで食べるラーメンの醍醐味かもしれない。
(文=豊田 祥子)
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