近年、韓国ドラマの世界では弁護士を主人公に据えた作品が目立つようになってきた。
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法廷という舞台は、社会問題を自然に浮き彫りにしながら、作品に込めたいメッセージをストレートに伝えることができる。その構造的な強みが、制作者たちを引きつける理由のひとつだろう。
さらに注目すべきは、現役弁護士や元裁判官といった法曹関係者が脚本を手がけるケースが増えている点だ。彼らの知見が反映されることで、リアリティのある描写や臨場感あふれる物語が生まれ、視聴者をより深く物語に引き込んでいる。
今回は、そんな弁護士をテーマに、悲喜こもごもの人間模様を描き出したおすすめの韓国ドラマを紹介する。
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このドラマの主人公は、出勤早々「やりたくない」とぼやきながらも、「言われたらやるしかない」と業務に向き合う、キャリア9年目のアソシエイト弁護士。
日々の仕事に追われつつも、食事の時間には仲間たちと自然と集まり、他愛ない会話でストレスを和らげる。そんな日常があまりもリアルに描かれ、韓国では初回放送から共感の嵐を呼んだ。ドラマファンの間では弁護士版の『賢い医師生活』と評されるほど、高い評価を得ている。
主演:イ・ジョンソク、ムン・ガヨン、カン・ユソク、リュ・ヘヨン、イム・ソンジェ
あらすじ:ソウルの法曹タウン“瑞草洞”のとあるビル。このビルで働く、5人のアソシエイト弁護士。彼らは次第に食事を共にするように…。冷酷な訴訟ばかりの街でストレスを抱えながらも、食事の時間に集まり、おしゃべりで心を癒す喜怒哀楽な弁護士ライフ。
『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』をまだ観ていない人が、この世にいませんように…。パク・ウンビンの誰にも真似できない緻密な演技が胸に応える。最終話を見終えた後には、間違いなくロスに陥るはず。本気でおすすめしたい傑作だ。
主演:パク・ウンビン、カン・テオ、カン・ギヨン
あらすじ:一流法律事務所で働き始めた新米弁護士のウ・ヨンウ。自閉スペクトラム症を抱えて生きる女性として、法廷で、そして私生活で、さまざまな壁に果敢に挑む。
現役の離婚専門弁護士、チェ・ユナさんが5年以上かけて脚本を練り上げた本作。ドラマらしさを保ちながらも、弁護士たちの奮闘をリアルに描き、目から鱗の連続だ。
主人公チャ・ウンギョンを演じた女優チャン・ナラは、この作品で2024年の「SBS演技大賞」大賞を受賞。高い人気に支えられ、シーズン2の制作も決定している。
主演:チャン・ナラ、ナム・ジヒョン、キム・ジュンハン
あらすじ:間から絶大な支持を受ける離婚専門のスター弁護士、チャ・ウンギョン。彼女が勤めるテジョン法律事務所にトップの成績で入社した新人弁護士のハン・ユリは、企業チームで働くことを夢見ていたが、なぜか離婚チームに配属されてしまう。どうすれば企業チームで働けるのかと尋ねる彼女に、ウンギョンは「離婚チームで10件勝訴すれば異動を口添えする」と約束する。入社1日目から容赦なく仕事を任せられ、翌日には早くも法廷デビューを果たすことに。なんとか勝訴できたものの、果たしてそれが正しい結果だったのか納得がいかず、晴れない気持ちを抱えていた…。
キム・ヘス、チュ・ジフンの息の合った演技に加え、痛快なストーリー展開がとにかく魅力の、知る人ぞ知る(?)ウェルメイドドラマ。弁護士として対立していたクールな年下女性と、オレ様気質の年下男性が、恋人へと関係を変化させていく過程にも注目してほしい。
主演:キム・ヘス、チュ・ジフン
あらすじ:有力者をクライアントに持つ2人の弁護士が、生き馬の目を抜く法曹界での生き残りをかけて闘志を燃やす。そのためなら、相手を蹴落とすことも、手段もいとわない。
将来、法曹を目指すエリート学生たちの奮闘記…と思いきや、実際の判例をモチーフにした各エピソードからは、暴行、殺人、性犯罪といった韓国社会の深刻な問題が浮き彫りになる。一つの事件を軸に、複数のキャラクターの物語が同時多発的に展開され、やがて一つに収束していく構成は見事の一言だ。
『瑞草洞<ソチョドン>』のリュ・ヘヨン、『おつかれさま』のイ・スギョン、『いつかは賢いレジデント生活』のコ・ユンジョン、『イカゲーム』のイ・デヴィッドなど、今をときめく若手俳優たちが揃った貴重な作品。
主演:キム・ミョンミン、キム・ボム、リュ・ヘヨン
あらすじ:国内屈指の名門ロースクールで発生した、不可解な事件。司法制度とは一体何か。真実を追い求める教授と野心あふれる学生たちが大きな問いに挑む。
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