あのマ・ドンソクも!?「悪役を演じて人生変わった」韓国俳優たち

2025年06月25日 コラム #俳優 #佐々木夏美
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 「悪役」でこそ輝く俳優たち。スターへの道を開く“名悪役”の魅力とはなんだろうか。

【写真】マ・ドンソク、國村隼と仲良く肩組み♡

イケメン主人公、財閥の御曹司、爽やかな好青年——ドラマや映画では、こうした“理想的な人物像”が物語の中心となり、演じる俳優たちもまた大きな注目を集める。しかし、その物語を一層ドラマチックに、そして緊張感あふれるものに仕立て上げるのが“悪役”の存在だ。

実はこの「悪役こそがブレイクのきっかけ」となるケースも少なくない。

かつて“悪役専門”のような印象を持たれていたマ・ドンソクは、その代表例だ。いまや『犯罪都市』シリーズで正義のヒーローとして人気を博しているが、初期のキャリアでは強面を活かした悪役で数多くの作品に出演してきた。とくに映画『悪人伝』では、全身に彫られた刺青と鋭い眼光が圧倒的な存在感を放ち、観る者の背筋を凍らせた。

『悪人伝』スチールカット
(写真=ACEMAKER MOVIEWORKS)

見た目は“キラキラ”なのに…

一方、見た目は“爽やかイケメン”でありながら、悪役で強烈な印象を残したのが俳優アン・ボヒョンだ。『梨泰院クラス』で演じた財閥の御曹司チャン・グンウォン役は、非道な校内暴力、ひき逃げによる殺人、さらには大人になっても改心せず犯罪を重ねる「救いようのない悪」を体現。その憎々しい演技は視聴者の怒りを買いながらも、彼の存在を一躍知らしめることとなった。

その前作『彼女の私生活』では、ヒロインに片想いする心優しい青年役を演じていたことを思えば、そのギャップは衝撃的だった。

モデル出身で187cmの長身、ボクシング選手時代に鍛え抜かれた体、そして大型犬のような優しい顔立ち。そのビジュアルとのギャップも相まって、アン・ボヒョンは一気にトップ俳優の仲間入りを果たした。

アン・ボヒョン
(写真=アン・ボヒョンInstagram)

また、俳優パク・ソンフンも“悪役”でその名を世に知らしめたひとりだ。

2008年にデビューし、長年にわたり演劇界で活躍していた彼が大きく注目を集めたのは、Netflixドラマ『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』でのジョン・ジェジュン役。憎悪を煽るような人物像を見事に演じ切り、多くの視聴者が「パク・ソンフン」ではなく「ジェジュン」と呼び続けるほど、強烈な印象を残した。

その後も『涙の女王』などの話題作に出演し、現在は世界的人気シリーズ『イカゲーム』シーズン3の配信を控えている。悪役に限らず、存在感のある俳優として活躍の場を広げている。

パク・ソンフン
(写真=Netflix)

そしてもう一人、いわゆる“悪役で大ブレイク”とはやや異なるものの、「悪役と言えばこの人」と称されるほど、数多くの名作で悪役を演じてきた俳優・オム・ギジュンだ。

高校生の頃から俳優を志していたオム・ギジュンは、1994年、高校2年生のときにデビュー前にも関わらず、非行少年役を演じた経験があり、当時から“名悪役”としての素質を垣間見せていたのかもしれない。その後、1996年にはミュージカルの舞台で本格的なキャリアをスタート。以降は、舞台のみならず多くのドラマや映画に出演し、着実にキャリアを重ねていく。

韓国版ウィキペディア「ナムウィキ」の出演履歴を見ると、「メイン悪役」の文字がずらりと並んでいる。

代表作『被告人』や『ペントハウス』では、人間の欲望や残虐性をこれでもかというほどリアルに演じきり、「人間はここまで堕ちられるのか」と視聴者を震撼させた。

『被告人』キャプチャ
(画像=SBS)

悪役を演じるとあまりの憎まれぶりに、SNSなどで俳優たちへの悪口すら飛び交うが、それは彼らの演技力の高さゆえでもある。そんな姿に、観る者は圧倒され、魅了される。

悪役を演じる俳優こそ、真に力のある演技者といえるのかもしれない。

果たして次に“名悪役”として脚光を浴びるのは誰なのか。その動向から目が離せない。

(文=佐々木夏美)

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