Netflixで配信中の話題のドラマ『ソウルの家から大企業に通うキム部長の物語』。
役員昇進を目前に左遷され、最終的には希望退職へと追い込まれるキム部長(演者リュ・スンリョン)の姿が切なく描かれているが、ドラマに登場する情報を現実的な条件に照らし合わせてみると、キム部長はかなりの「ハイスペック人材」なのだ。
【関連】話題の『キム部長』のあの人気女優の娘が出演していた!!作中の背景や登場人物たちの台詞などを総合すると、キム部長は1972年生まれで一流私立大学出身。大手通信会社・入社25年目の部長という設定だ。
現実に当てはめると現在、53歳。超一流私立大学というと延世(ヨンセ)大学か高麗(コリョ)大学、成均館(ソンギュンガン)大学などが出身校ではないかと考えられる。
勤めるのは大手通信会社。現実ならKT、SKテレコム、LGユープラスのいずれかだろう。いずれも韓国通信大手のBIG 3で、その平均年俸は2024年基準で1億ウォン(約1000万円)以上。キム部長は役員昇格直前のベテラン部長でもあるだけに、その年俸は1億5000万ウォン(約1500万円以上)。月換算で1000万ウォン以上になることは間違いない。
しかも、住宅ローンを残しているとはいえ、ソウルのマンションに住んでいる。妻(演者ミョン・セビン)の強い希望によるものとはいえ、住宅価格急騰前のタイミングで賃貸から購入に切り替えているが、その物件価格もかなり上昇したと推測される。
また、上司の目を気にして輸入車を買わなかっただけで、国産メーカー、ヒュンダイ自動車の最高級セダンであるグレンジャーのフルオプション車に乗っており、通勤カバンも250万ウォン(約25万円)ほどの高級ブランド品を、妻に相談することなく気軽に買い替える。
さらに言えば、世間知らずのまま友人のスタートアップ会社で起業しようとする息子も名門大学在学中であり、内助の功に徹してきた専業主婦の妻はいつも明るく、老後に備えて不動産仲介の資格を取得するほどのバイタリティの持ち主だ。
望んでいた「役員」という肩書を得られず悶々とするが、キム部長は哀れどころか、中小企業の会社員や平均的な家庭の視点から見ればむしろ羨望される立場である人生だ。
「お前、父さんが普通に見えるだろ?お前がこうして普通に生きることがどれほど大変なことかわかるか?大企業25年目の部長として生き残り、ソウルにマンションを買って、子どもを大学まで送った俺の人生は偉大なのだ」
第2話でキム部長が酒を一杯飲んで吐き出すこのセリフは、虚勢でも自画自賛でもない。競争を勝ち抜いた韓国のエリートサラリーマンたちのプライドが滲んでいるのだ。
(構成=韓ドラLIFE編集部)
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