テレビ東京の平日朝の韓流プレミアで、現在は『トンイ』が放送されている。
全60話なのでまだ序盤なのだが、ペ・スビンが演じるチョンスがハン・ヒョジュの扮するトンイを見守りながら支えている。今後もチョンスがトンイの最大の支援者となって、様々に協力していくことだろう。
このチョンスは非常にナイーブな性格として設定されているのだが、その際にはペ・スビンが扮していることが最適に思える。
なにしろ彼は、感受性が豊かな表現をすることで定評がある。しかも、主役のハン・ヒョジュとは息もぴったりだ。
それもそのはずである。『トンイ』の前にハン・ヒョジュとペ・スビンは『華麗なる遺産』で共演している。
このドラマは、2009年の4月下旬から7月まで韓国のSBSで放送された。
最初はキャスティングが地味という理由であまり話題になっていなかったのだが、放送が始まると物語の面白さで大評判となり、後半になると視聴率が40%を超える大ヒットとなった。
それによって主役のハン・ヒョジュは大物女優の仲間入りを果たし、ペ・スビンも一躍名前を知られるようになった。
この『華麗なる遺産』では、ペ・スビンが演じるチュンセがハン・ヒョジュが扮したウンソンに愛情を持ち続けていた。しかし、結局はチュンセはその愛情を成就させることはできなかった。
それだけにペ・スビンの役は悲しみを耐え抜く表現が多かったのだが、哀愁を漂わせた彼の演技はとても良かった。
こうして『華麗なる遺産』で大成功を収めたハン・ヒョジュとペ・スビンは、イ・ビョンフン監督という時代劇の巨匠に認められて『トンイ』で再び共演を果たすことができたのである。
この2人でとても印象深かったのが2011年の10月だ。東京の韓国文化院・ハンマダンホールで『トンイ』の公開記者会見が行なわれた。
その場には、『トンイ』を代表してハン・ヒョジュとペ・スビンが記者会見に現れた。そのときの2人の姿は本当にほほえましかった。
また、その記者会見の後にペ・スビンが役柄と同じように殺陣を披露した。非常にするどい動きだったが、その殺陣を見たハン・ヒョジュがびっくりしたように後ろに大きくのけぞった。
まさにペ・スビンの殺陣が迫真に迫っていたのだろう。それから笑いあう2人の姿が強烈に思い出される。本当に自然体の2人だった。
ペ・スビンとハン・ヒョジュは、『トンイ』を通して、俳優同士の信頼感を大いに確かめ合ったことだろう。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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