史実で読み解く『トンイ』②仁顕王后は史実でも心が優しい王妃だったのか

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傑作時代劇『トンイ』では、パク・ハソンが仁顕(イニョン)王后を演じている。ドラマでは仁顕王后がとても品があり、純粋な心を持っていた。一方、史実の仁顕王后はどんな性格だったのだろうか。

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彼女が粛宗(スクチョン/演者チ・ジニ)の継妃となったのは1681年のことだった。正妻という地位にありながら、粛宗が寵愛したチャン・オクチョン(張玉貞/後の張禧嬪〔チャン・ヒビン〕で演者はイ・ソヨン)に対しても、相応の配慮を見せていた。特に、大妃の明聖(ミョンソン)王后によってチャン・オクチョンが一度は王宮から追い出された時にも、深い同情を示した。

「殿下に気に入られている女官が長く宮中にいないのはいかがなものでしょうか。再び呼んであげるのがふさわしいのでは…」

そう語ってチャン・オクチョンを擁護した。明聖王后がチャン・オクチョンを痛烈に非難したが、むしろ仁顕王后はかばってあげたのだ。

「あまり心配しなくてもよろしいのでは…」

『トンイ』
『トンイ』ではパク・ハソンが仁顕王后を演じた

清らかな心を持ちすぎた王妃

このように言って、仁顕王后は優しい気遣いを見せていた。そして、粛宗に対して、チャン・オクチョンを王宮に呼び戻すことを進言した。もちろん、粛宗が反対するはずもなく、チャン・オクチョンはただちに宮中に迎えられた。

本来なら、仁顕王后に感謝すべき立場であったチャン・オクチョンは、逆の態度をとった。ある日、チャン・オクチョンはわざとらしく仁顕王后のもとへ駆け込み、「助けてください。王様からいじわるをされています」と大げさに訴えた。それは、自分こそが粛宗にもっとも愛されていると王妃に見せつけるためであった。

「王様のお心にもっと従わなければいけませんよ」

仁顕王后は穏やかに忠告したが、チャン・オクチョンは顔を背けるばかりであった。その後も、仁顕王后が言いつけをしても横柄な態度をとり、ついには呼び出しも無視するようになった。

あまりに清らかな心を持ちすぎた仁顕王后の善意は、時に鋭い棘のように返ってきた。人の良さは徳であると同時に、宮中という冷徹な世界では弱さにもなってしまうのである。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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