史実で読み解く『トンイ』①『朝鮮王朝実録』に記された知られざる人間関係

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「時代劇の巨匠」ことイ・ビョンフン監督に多く起用されている女優がパク・チョンスだ。彼女は『宮廷女官チャングムの誓い』では王宮の女官長を演じていたが、『トンイ』では明聖(ミョンソン)王后に扮していた。重厚な演技ができるパク・チョンスにはよく合った役だった。

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ドラマの中で、明聖王后はチャン・オクチョン(張玉貞/後の張禧嬪〔チャン・ヒビン〕であり演者はイ・ソヨン)のことをとても嫌っている。彼女は19代王・粛宗(スクチョン/演者はチ・ジニ)のことを溺愛していて、息子のためだったら何でもやってのける母親だった。

それだけに、欲望が強すぎるチャン・オクチョンをとても警戒しており、王宮から追い出したいと切望していた。

そんな明聖王后のことを『朝鮮王朝実録』はどのように記していたのだろうか。

ドラマと同様に史実でも明聖王后は張禧嬪のことを露骨に批判していた。たとえば、『朝鮮王朝実録』には明聖王后の次の言葉がはっきりと掲載されている。

『トンイ』
画像=MBC

張禧嬪を嫌っていた明聖王后

「あの女(張禧嬪)は、毒のような性格で平気でワルだくみをしそうです。主上(チュサン/国王のこと)はこのところ感情の起伏が激しくなってきたけれど、もしもあの女にそそのかされているとすれば、国家にとっても大変なわざわいです。中殿(チュンジョン/王妃のこと)も私の言うことをよく考えてみてください」

この言葉は実際に『朝鮮王朝実録』に載っており、感情の上で明聖王后が辛辣に張禧嬪を批判していたことは間違いない。なお、話し相手の中殿というのは、仁顕(イニョン)王后のことである。『トンイ』ではパク・ハソンが演じている。

それにしても、「毒のような性格で平気でワルだくみをしそう」という言い方は、明聖王后の正直な気持ちがよく表れている。

ここまで張禧嬪を嫌っていた明聖王后。『トンイ』でも必死になって王宮から張禧嬪を追い出そうとしていたが、よほど性格が合わなかったに違いない。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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