朝鮮王朝建国の祖である李成桂(イ・ソンゲ)を支えた希代の策士である鄭道傳(チョン・ドジョン)の生涯を描いた正統派時代劇『鄭道傳(チョン・ドジョン)』。
巧みに心理描写で描かれる人間ドラマや政敵との駆け引きの面白さは抜群。韓国放送時には、異例の20週連続週間視聴率トップ10をキープしたことも話題になった。
チョン・ドジョン役には、『階伯』で義慈王(ウィジャワン)に扮したチョ・ジェヒョンが起用され、ユ・ドングン演じるイ・ソンゲとの息のあった掛け合いを見せてくれる。また、親友でありながら対立するチョン・モンジュを、イム・ホが演じている。
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何よりも見どころなのは、徹底的に時代考証にこだわったこと。史実を忠実に再現した正統派歴史ドラマとして、登場人物たちの動向も史実から大きく乖離することはない。史実でのチョン・ドジョンもまた、イ・ソンゲの右腕として、新王朝建国の功労者なのだ。
また、彼を取り巻く人間関係もできる限り、史実を忠実に再現している。友情で結ばれながらも対立するチョン・モンジュや、王朝の行く末を巡り対立するイ・ソンゲの五男イ・バンウォンとの政治闘争など、建国初期を学ぶ上で重要な要素の全てが本作を見るだけで理解できるだろう。
特に、主人公チョン・ドジョンに対する考察は見事で、王朝の将来を憂う理想家としての姿が丁寧に表現されている。
また、疲弊する高麗に生きた優秀な学士チョン・ドジョンとチョン・モンジュの友情にも注目したい。国を建て直す共通の思いを胸に協力しながらも、新王朝の設立か高麗の存命かで袂を分かつことになるふたりの苦悩は涙なしには観られない。己の信念のために私情に流されず、厳しい決断を下す姿は必見だ。
高麗王朝末期、コンミン王(キム・ミョンス扮)は王妃が亡くなると、国をあげて豪華な霊堂の建築を急がせた。
成均館の学者であるチョン・ドジョン(チョ・ジェヒョン)は、霊堂建設のために苦しむ民の姿を見て、王に中止を望む上訴文を提出するが、王の目に届く前に権力者イ・イニム(パク・ヨンギュ)に阻まれ、さらに反逆の汚名を着せられて流罪になってしまう。
高麗の終焉を感じたドジョンだが、武人イ・ソンゲ(ユ・ドングン)と出会い、彼こそが新しい国の王になるべきだと感じるが……。
構成=韓ドラ時代劇.com編集部
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