テレビ東京の韓流プレミアで放送されている『ホジュン~伝説の心医~』。6月27日の第43話では、左遷されたユ・ドジ(演者ナムグン・ミン)が明に行く使節に随行するために旅立っていった。その直前、ホ・ジュン(演者キム・ジュヒョク)を見かけたユ・ドジは「このままでは終わらない」と強く言って、巻き返しを誓っていた。
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ホ・ジュンは師匠の命日なのでユ・ドジの家に行くと、その母親に罵倒されてしまった。息子が左遷されたのはホ・ジュンのせいだと思い込んでいる。
本当に性格が曲がっている女性なのだ。ところが、急に倒れてしまった。町の医者も病状がわからないと匙を投げてしまったので、ホ・ジュンが診察をすることになった。
それを知ったユ・ドジの母親は激怒し、ホ・ジュンを追い返してしまった。安静にしていなければいけないのに、彼女を診察するのは無理だ…そう悟ったホ・ジュンは、医女に指示だけを出して、自分は表に出ないようにしていた。
思えば、ホ・ジュンほど高潔な人は他にいなかった。しかも、医術の腕が卓越していた。ユ・ドジの母親も、ホ・ジュンに治療をまかせて鍼を打ってもらえば快方に向かう可能性が高かった。しかし、逆恨みばかりしているので、結局は自分で身を滅ぼす結果になりそうだった。
ホ・ジュンとしても、本当に複雑な心境だ。自分を医術に導いてくれた師匠には大きな恩義があった。その夫人がユ・ドジの母親なのだが、いつも意地悪ばかりする女性だった。もちろん義理もないので放っておいても構わないのだが、それでも最後まで仕えようというのがホ・ジュンの真心であった。
彼が理想とする「心医」というのは、患者を身分によって差別せず、誰にでも最善を尽くして治療に邁進する医者のことである。その信念を持っているホ・ジュンは、たとえ「ユ・ドジの母親」のような人であっても、最良の治療を施さなければならないと肝に銘じていた。彼の「心医」をめざす道は険しいが、ドラマはその過程を丹念に描いていく。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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