テレビ東京で放送されている『ホジュン~伝説の心医~』では、6月9日の第29話で内医院(ネイウォン)の品階がひんぱんに出てきた。その説明に入る前に、朝鮮王朝の品階のことを解説しておこう。
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朝鮮王朝の品階は最上位の正一品から最下位の従九品まで18段階に分かれていた。そして、正一品となっていたのは、総理大臣に該当する領議政(ヨンイジョン)、副総理に該当する左議政(チャイジョン)と右議義(ウイジョン)である。つまり、3つの役職だけが正一品で、官僚の中のトップ3だった。
さらに、朝鮮王朝には六曹(ユクチョ)と呼ばれる6つの官庁があった。それは、「文官の人事担当の吏曹(イジョ)」「徴税と財政担当の戸曹(ホジョ)」「外交と儀礼を担当する礼曹(イェジョ)」「軍務を担当する兵曹(ピョンジョ)」「法務を担当する刑曹(ヒョンジョ)」「土木を担当する工曹(コンジョ)」である。
以上の6つの官庁の大臣が判書(パンソ)で品階は正二品だ。そして、正二品以上の品階を持った高官に対する尊称が大監(テガム)である。この言葉は韓国時代劇に本当によく出てくる。
なお、6つの官庁の副大臣に該当するのは参判(チャムパン)で品階が従二品、次官に該当するのが参議(チャムイ)で品階が正三品である。
今度は、王族の診察・治療を行う内医院の場合を見てみよう。内医院に所属している人の品階は以下のようになっている。
最高幹部 正三品
次席幹部 従四品
判官 従五品
主簿 従六品
直長 従七品
奉事 従八品
副奉事 正九品
参奉 従九品
『ホジュン~伝説の心医~』第29話では、ユ・ドジ(演者ナムグン・ミン)が直長(チッチャン)に昇格していた。ここで彼は従七品の品階を受けたことになる。相当に出世している。
その一方、ホ・ジュン(演者キム・ジュヒョク)は科挙に受かったばかりの研修生なので、まだ品階を受けていない。身分のうえでは、ユ・ドジとホ・ジュンの間には、かなりの差がついていることになる。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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