格付けされた王妃たち…トンイが昇格した淑儀(スギ)とは何か

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テレビ東京の韓流プレミアで放送されている『トンイ』は、9 月23日が第47話だった。この回には、トンイが淑媛(スグォン)から淑儀(スギ)に昇格する場面があった。朝鮮王朝の側室の品階を知らないと理解できない話なので、改めて側室の品階について説明しよう。

朝鮮王朝では、王宮の役職を持つ女官に品階が与えられた。

その品階には一品から九品までのレベルがあり、それぞれに“正”と“従”があった。それによって、合計で品階が18になったのだ。そして、“従”は“正”より位が下になっていた。

なお、正五品から下は実際に王宮で労働をする女官たちだ。『宮廷女官 チャングムの誓い』でおなじみの尚宮(サングン)も肩書が正五品になっており、働く女官のトップだった。

【写真】『チャングム』のチェ一族が最高尚宮の地位にこだわったワケ

一方、正一品から従四品までの品階をもつ女官は、実際に労働をするわけではなかった。なぜなら、彼女たちはすべて王の側室だからだ。

そうした側室の品階の名称は、それぞれ次のようになっていた。

正一品 嬪(ピン)
従一品 貴人(キイン)
正二品 昭儀(ソウィ)
従二品 淑儀(スギ)
正三品 昭容(ソヨン)
従三品 淑容(スギョン)
正四品 昭媛(ソウォン)
従四品 淑媛(スグォン)

この名称を見てわかるように、側室の最高位は正一品の“嬪”だ。その多くは王子を産んだ女性であり、名前の中に“嬪”ともう一つの漢字をつけることが許された。張禧嬪(チャン・ヒビン)がその例となっている。

基本的に、側室の品階は王にどれだけ寵愛されてどんな子供を産んだかによって決められる。王子を産んだ場合、王女を産んだ場合、子供を産んでいない場合などによって明らかに差がつくのだ。

また、実家の身分によっても側室の品階は違っていた。実際、朝鮮王朝の前期には王が10人近くの側室をもつ例が多かったので、このように側室の品階を8段階に分ける必要があったのだ。

ドラマ『トンイ』(写真提供=MBC)

なお、ドラマ『トンイ』では、トンイの元々の身分が低かったが、王子を産んでいるので従二品の淑儀に昇格したのであった。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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