韓ドラ時代劇『太陽を抱いた月』でキム・スヒョンが演じる主人公イ・フォンなど、韓ドラ時代劇で多く登場する世子(セジャ)。
正当な王位継承者である世子が王になるためには、さまざまな試練が待ち構えている。
世子候補に挙げられた王子は、4歳くらいになると、初級レベルの儒学を中心にさまざまな教育を受けた。
カリキュラムは、一日45分の授業を朝昼晩3回。前日および当日覚えた内容を忘れた場合は、罰を受けることもしばしばだったという。
王は王子の教育水準を見定め、後継者としてふさわしい素養が身についた段階で、世子として定める儀式を執り行った。
王になるための教育はその後も続いた。世子は朝鮮王朝最大の教育機関・成均館(ソンギュングァン)に祀られた孔子の像を参拝する入学礼(イプハクレ)という儀式を受けた後、本格的に帝王学を叩き込まれるのだった。
全国のエリートが集まった集賢殿から、選りすぐりの知識人を招き、主に儒学と歴史学の授業を受けたといわれている。
第5代王・文宗(ムン ジョン)は父王・世宗(セジョン)の下で、長らく世子生活を続けた。あまりにも勉強にのめり込み過ぎ、夫人である世子嬪奉氏(セジャビンポンシ)をまったく顧みなかった。
夫が相手をしてくれず、寂しい想いをしていた世子嬪奉氏は、宮女と同性愛に走ってしまうというスキャンダルを起こしている。
国を背負うプレッシャーから、世子たちがいかに勉強の虫になっていたか物語るエピソードだ。
また、徹底して生活を管理されるストレスからか「世子時代を長く過ごした王ほど短命」であると指摘する歴史学者もいる。
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