時代劇『風と雲と雨』ではコ・ソンヒがヒロインのボンリョンを演じている。彼女は国王の正室以外から生まれた娘を意味する翁主(オンジュ)である。国王の正室から生まれた娘を指す公主(コンジュ)とは明らかに名称が異なる。しかし、国王の娘となる王女であることは間違いない。それだけに、『風と雲と雨』でもボンリョンは丁重に遇されている。
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ただし、高貴な身分になってしまうと、パク・シフが演じる主人公チョンジュンも気軽にボンリョンと会えなくなる。そこが彼にとってもどかしいところなのだが、幼なじみとはいえボンリョンが王族の一員になってしまったからには、それも仕方がないことなのだ。
そのボンリョンはドラマの中で哲宗(チョルチョン)の娘となっているが、歴史的に見ると、哲宗には1人だけ翁主がいる。それは、側室が産んだ永恵翁主なのである。もしかしたら、ボンリョンは永恵翁主をイメージしてキャラクターが設定されたのかもしれない。
哲宗には翁主が1人だけだったが、歴代王を見ると、驚くほどたくさんの翁主を持った国王がいる。そのベスト3を紹介しよう。
3位は14代王・宣祖(ソンジョ)である。
彼は朝鮮王朝で最初に側室から生まれた国王として知られるが、子供の数が多いことでも有名だった。その数は25人で、そのうちの10人が翁主だった。側室が多かったから、それが可能だったのだ。
2位は9代王の成宗(ソンジョン)である。
翁主の数は11人だった。成宗は政治的には名君であったが、女性問題も派手であった。その末に多くの翁主を持つに至ったのである。
1位は3代王の太宗(テジョン)である。
彼は歴代王の中で最大の王権を保持した大王であった。同時に、歴代王で一番多くの子供を持った人でもあった。その数は29人。本当に多かった。
その29人の中で翁主が13人だった。これが歴代王のナンバーワンである。
朝鮮王朝の前期には国王が側室をたくさん抱える傾向があった。それによって、実力がある国王が側室をたくさん持ち、それに応じて翁主も増えていったのである。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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