コ・ソンヒが『風と雲と雨』で演じる翁主は国王とどういう関係?

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『風と雲と雨』が描いている時代は1860年代前半だ。このときに即位していたのは25代王・哲宗(チョルチョン)だ。『風と雲と雨』では俳優のチョン・ウクが演じていた。

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この国王は、ドラマの中では性格が弱くて有能には見えない。それは、歴史的な評価とまったく同じだ。

そんな哲宗の隠し子として登場するのがヒロインのボンリョンで、コ・ソンヒが美しく演じている。

こうした人物設定で特に重要なのが、ボンリョンが江華島(カンファド)の出身であるということだ。それは、パク・シフが扮している主人公チョンジュンも同様である。2人は江華島での幼なじみであり、この島こそが最愛の故郷だったのだ。

史実でみると、哲宗も江華島の出身だ。彼は王族ながら都でなくて江華島に住んでいた。それは親族が謀反の罪で処罰されて影響を受けたからだ。

コ・ソンヒが哲宗の娘ボンリョンを演じていた(写真提供=© 2020 TV Chosun)

人の運命がわかる特殊な才能

以後、哲宗は江華島で農業をして暮らしていたのだが、24代王・憲宗(ホンジョン)が1849年に22歳で急死して息子がいなかったので、哲宗が後継者として突然に指名された。それは、哲宗が権力者の意のままになる男だったからだ。いわば、傀儡(かいらい)政権の前提で哲宗が選ばれたのであった。

こうして哲宗は江華島から王宮に移っていくわけだが、彼が江華島時代に愛した女性がボンリョンの母バンダルであった。それが『風と雲と雨』の重要なストーリー。バンダルを女優のワン・ビンナが演じていたが、彼女ならば後の国王が愛するのも不思議ではない、という美貌を持っていた。

結果的に、ボンリョンは翁主(オンジュ/国王の側室が産んだ王女)となり、人の運命がわかる特殊な才能によって、父である哲宗の余命が短いことを察してしまう。そこから物語が急展開していくのだが、史実を見ると、哲宗は1863年に亡くなっている。

享年は32歳であった。これほどの若さで命を落としたのは、健康管理がまるでなっていなかったと言われている。

『風と雲と雨』では、ボンリョンが父の哲宗を本当に気遣っていた。ドラマの中だけとはいえ、哲宗はボンリョンのような愛娘を持って本当に幸せであったことだろう。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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