かつて日本の芸能界では「子役は大成しない」と言われていた。こういうジンクスは韓国にもあって、20年くらい前だと、有名な子役が大人の俳優になるとパッとしなくなる、という例が相次いだ。
しかし、それも過去の話だ。
今の韓国ドラマ界には、子役からスタートして大人になっても活躍している俳優がとても多い。シン・セギョンもその1人だ。
彼女は1990年に生まれた。8歳のときからモデルとして活躍し、2004年には『名家の娘ソヒ』で主人公の子供時代を熱演して評判になった。
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以後も芸達者ぶりを発揮して、大人になっても『善徳女王』『根の深い木-世宗大王の誓い-』『六龍が飛ぶ』などに出演した。
そんな彼女が真価を見せたのが、時代劇の『新米史官ク・ヘリョン』だった。
このドラマでシン・セギョンが演じたのは、歴史を記録する官僚である史官に抜擢されたク・ヘリョンという令嬢だった。
彼女は適齢期なのに結婚にまったく興味を示さず、「行き遅れた女性」と周囲から揶揄されていた。しかし、ヘリョンはまったく意に介さず、むしろ女性史官の試験を受けて見事に採用されるようになった。
こうして、まずは史官の見習いになったヘリョンだが、曲がったことが大嫌いな性格が標的にされて、数々のイジメを受けたりトラブルに見舞われたりしてしまう。
それでも、持ち前のバイタリティで彼女は前向きに困難に立ち向かっていく。
そんなヘリョンの奮闘ぶりをシン・セギョンは明るく前向きに演じきっていた。
基本的にはラブコメ時代劇なので、恋愛の相手役が重要だが、チャ・ウヌがイケメンで多才な王子を演じてドラマを大いに盛り上げていた。
それにしても、シン・セギョンとチャ・ウヌは年齢差があるが不思議に相性が合うカップルだった。そんな中でシン・セギョンは年上女性として演技上でも巧みにチャ・ウヌをリードして、子役からの経験を役作りに大いに生かしていた。
そういう意味でも、『新米史官ク・ヘリョン』はシン・セギョンの会心の主演作であった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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