朝鮮王朝を舞台にした時代劇を見ると、特に多くの題材で登場する時代は3つある。
1つ目は朝鮮王朝の建国時代であり、2つ目は『チャングム』や『オクニョ』に代表されるように1500年代前半の中宗(チュンジョン)の時代であり、3つ目は『トンイ』が象徴しているように1600年代終盤の粛宗(スクチョン)の時代である。
【あの人は今】『トンイ』主演ハン・ヒョジュはその後どうしているのか
この3つの時代に多くの時代劇が集中してきたが、歴史スペクタルとして傑作が多く誕生したのは朝鮮王朝の建国時代だ。
朝鮮王朝は李成桂(イ・ソンゲ/初代王の太祖〔テジョ〕)が1388年に高麗王朝の政権を倒して、1392年に建国されている。
しかし、朝鮮王朝の基盤を作ったのは3代王の太宗(テジョン)であり、李芳遠(イ・バンウォン)という本名の彼を大きく取り上げているドラマが多い。
その中で、大傑作と評されたのが『龍の涙』である。
このドラマは、1996年から1998年にかけて全159話として韓国で放送されたが、歴代視聴率ランキングでは6位に入る49.6%を挙げている。
大物俳優のユ・ドングンが太宗に扮していて、歴史を生々しく再現した大河時代劇として抜群の人気を誇り、韓国で時代劇ブームを作り上げた。それだけに、朝鮮王朝の建国当時の時代劇といえば、まずは『龍の涙』が一番有名だ。
最近で言うと『六龍が飛ぶ』も人気を集めた。
朝鮮王朝を建国した李成桂、立役者として朝鮮王朝の制度を作り上げた鄭道伝(チョン・ドジョン)、そして李芳遠の3人が激動の時代でどう活躍したかが克明に描かれていた。
特に李芳遠を演じたユ・アインの演技が話題を呼び、彼の名を一躍高めた。
さらに、イケメン俳優をそろえた時代劇『私の国』は新しい視点を持った時代劇として注目された。ヤン・セジョン、ウ・ドファン、ソリョン(AOA)の3人が激動の時代に生きる人々を生き生きと演じきった。
このドラマで李芳遠を演じたのはチャン・ヒョクで、さすがに彼の存在感は抜群であった。
こうして『私の国』は、建国当初の朝鮮王朝を理想の国にするために奮闘する若者たちが大活躍を見せていた。
以上のドラマは激動の時代をうまく題材に使って、本格派の時代劇に仕上がっていた。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
【写真】『トンイ』で幸薄い王妃を演じたパク・ハソンは今どうしている?
前へ
次へ