主役として『ヘチ』を引っ張るチョン・イルの凄い強みは?

このエントリーをはてなブックマークに追加

NHK総合テレビの日曜日午後11時に『ヘチ 王座への道』が放送されているが、このドラマでは、主役のチョン・イルが延礽君(ヨニングン)に扮している。

延礽君といえば、後に英祖(ヨンジョ)として21代王になる超大物だが、『ヘチ』での序盤では、延礽君は王族でありながら「母親の出自があまりに低すぎる」という理由でかなり軽く見られていた。

【関連】NHK放映の時代劇『ヘチ』で堪能できる俳優チョン・イルの「存在感」

なにしろ、19代王の粛宗(スクチョン)の後継者をめぐって王族と高官たちが熾烈な権力闘争を行なっているというのに、後継者の資格がある延礽君は完全に蚊帳の外なのであった。そんな立場に置かれていた延礽君だが、主役のチョン・イルが演じるだけに、ただ手をこまねいているわけがなかった。

『ヘチ』で延礽君を演じるチョン・イル

ドラマを激しく揺さぶる主役

延礽君は密豊君(ミルプングン)という悪徳王子の悪事を徹底的に調べ上げて、この王子が王位を狙っている動きを封じ込めようとする。その際には、意見が合わない高官と手を組むという戦略家の才能を見せ、延礽君は朝鮮王朝の政治を正しく導こうとした。

幸いなことに、父親の粛宗は延礽君の力量を大いに評価しており、やがては有力な後継者として延礽君を引き立てようとした。

それを感じた延礽君は、いっそう王宮の中で活発な動きを見せて、自分の政治哲学を高官や下級官僚にさまざまに見せていく。このあたりの延礽君の動向は、『ヘチ』という時代劇をとてもスリリングに彩っていた。

それにしても、延礽君を演じているチョン・イルの演技力は本当にすばらしい。屈辱にまみれたときは大いに嘆き悲しみ、同志を得たときは無上の喜びを表し、戦略を練っているときは理知的な雰囲気を漂わせていた。

しかも、政敵に立ち向かうときは激しい情念を相手にぶつけ、一歩もひるまないという意志の強さを見せていた。そうした気持ちが視聴している人たちにダイレクトに伝わってきた。それだけの説得力ある演技を随所に見せているチョン・イルは、『ヘチ』というドラマを激しく揺さぶる主役として序盤から強烈な存在感を見せている。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

【関連】チョン・イルが演じた英祖は歴史的に偏屈な国王だった!

【関連】『ヘチ』が描く「歓迎されない王子」の母とは誰のことなのか

【関連】『ヘチ』に主演するチョン・イルの韓服姿はなぜ色っぽいのか?

前へ

1 / 1

次へ

関連記事


RANKINGアクセスランキング

写真


注目記事