『ヘチ』が描く「歓迎されない王子」の母とは誰のことなのか

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韓国で2019年に放送されて好評だった時代劇『ヘチ 王座への道』が、NHKの総合テレビで2月14日から放送されている。全24話で日曜日の午後11時から1時間というのが放送枠だ。

『ヘチ』の主演は人気俳優のチョン・イルである。彼は2018年11月30日に兵役を終了していて、除隊後に芸能界に復帰してから『ヘチ』に主演したのだ。

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このドラマが期待を集めたのは、キム・イヨン作家が脚本を担当したからだ。この人は『イ・サン』や『トンイ』という傑作を書き上げたことでよく知られており、歴史的な事件を題材にしながら奔放なストーリーに仕上げることで定評がある。

しかも、セリフがとても巧みで、流れるように場面設定が次々に移っていく。まさに名人級のシナリオを紡ぐのがキム・イヨン作家の真骨頂だ。

写真=韓国SBS『ヘチ 王座への道』公式サイトより

ストーリー上の醍醐味

時代劇は特に脚本がとても大事であり、評判のいい大物が満を持して書き上げただけに、『ヘチ』も傑作と称されるほどの出来栄えになっている。

なお、『ヘチ』は「歓迎されない王子」が朝鮮王朝の政治を改革するまでをドキュメンタリータッチで描いている。

それでは、なぜ王子は歓迎されなかったのか。

理由は、王子の母の身分が低すぎたからだ。その母とは誰かというと、『トンイ』の主人公だった淑嬪(スクピン)・崔氏(チェシ)なのだ。

彼女は粛宗(スクチョン)に見初められて側室になり、王子を産んでいる。その王子が『ヘチ』の主人公となるヨニングンだ。後の英祖(ヨンジョ)である。

ドラマの中で、ヨニングンは母の身分が低すぎて王子たちの中で不当な差別を受けている。そこから一気に王座まで駆け上っていくのが『ヘチ』のストーリー上の醍醐味だ。

ストーリーには歴史上の人物もたくさん登場するので、史実に照らして見ていくと、さらに面白いだろう。ただし、淑嬪・崔氏はすでに亡くなったという設定になっている。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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