朝鮮王朝の歴史で“暴君”とされてきた第15代王・光海君(クァンヘグン)。だが、近年はその政策が学術的にも評価され、韓国の歴史研究家たちが「再評価が必要な歴史人物1位」に選んだこともあった。
ドラマ『王になった男』は、その光海君を主人公にした宮廷エンターテインメントだ。
史書『承政院日記』に記されていない“空白の15日間”を拡大解釈し、史実を加味しながら、暴君の顔と名君に匹敵するほどの政策を打ち出した光海君は別人だったかもしれないというアプローチで描いているが、もともとは映画が先に公開され、その大ヒットを受けてドラマ化された。
映画で主人公を演じたのはイ・ビョンホン。暗殺の危機にさらされ謎の昏睡状態に陥った光海君と、その光海君に代わって王の代役を務めた人情厚い道化師ハソンを演じた。
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光海君に仕える都承旨(王直轄秘書室長官)である許筠(ホギュン)を演じたのは、リュ・スンリョン。都承旨はハソンを見つけて光海君の代役を務めさせ、王道を手ほどきするが、やがて彼の心の中にも変化が起きるのはドラマと同じだ。
その許筠とは党派を別にする反対勢力で、光海君の失脚をもくろむ重臣パク・チュンソを、映画ではベテラン俳優キム・ヨングォンが演じていた。パク・チュンソはある出来事を境に、以前とは豹変してしまった王やその政策変更に反発しつつ、正体を掴もうとするが……。
そして映画では、光海君の正室である中殿(チュンジョン)を女優ハン・ヒョジュが演じている。映画では、実兄が謀反を企てたと濡れ衣を着せられ、複雑な立場に立たされていた中殿だが、ハソンに出会うことで……。
このようにドラマは映画のストーリーラインを忠実になぞりつつ、個々のキャラクター描写を膨らませているので、映画とドラマの違いを楽しむのも面白いかもしれない。
構成=韓ドラ時代劇.com編集部
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