EXOのD.O.(ディオ)として人気を集めているド・ギョンスが主役の『100日の郎君様』。彼が演じているイ・ユルは、王朝の世子だ。つまり、次代の国王なのだ。
そんな世子を様々な面で世話したのが内侍府(ネシブ)にいる内官(ネグァン)たちであった。
この場合の内侍府とは何だろうか。
端的に言えば、王族の食事を管理し、秘書役として王族の世話を全般的に見る官庁だった。
それだけではなく、王族の命令を各部署に伝え、さらには、門番をして王宮の護衛まで引き受けていた。とても多忙な組織であったのだ。
しかも、内侍府の内官は原則的に宦官(かんがん/去勢された男子の官僚)だった。
韓国時代劇を見ると王宮の男性たちはみんな立派な髭を生やしているが、王族に寄り添っている男性の中で髭を生やしていない人もいる。彼らが内侍府の内官である。去勢されているので髭が生えないのだ。
実際、内侍府の内官になるときには、「本当に去勢された男子であるか」を厳しくチェックされるので、女性がなりすますことはありえない。正真正銘の男性ばかりだ。
以上のことを知ったうえで、改めて『100日の郎君様』を見てみよう。
イ・ユルにぴったり寄り添っていたのはヤン内官だった。しかし、彼は第6話でイ・ユルの遺体がまったく別人のものであることを明らかにした。
そのことによって悪徳高官に排除されてしまったのは残念だった。こうして、イ・ユルの支援者が次々と消えてしまうのだが‥‥。
(文=康 熙奉/カン・ヒボン)
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