パク・ソジュンとパク・ヒョンシクが主役を担った『花郎(ファラン) 希望の勇者たち』は、新羅(シルラ)が舞台になっていた。その中でパク・ヒョンシクが演じたのは24代王の真興王(チヌンワン)だ。彼は540年から576年まで国王として在位していた。
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当時の新羅は、まだ真の強国と言える状態には至っていなかった。三国時代の渦中で、力強く立ち上がる高句麗(コグリョ)や百済(ペクチェ)の巨影に比べ、劣勢ながらも不屈の闘志を燃やしていた。新羅の風雲児たちは、国力の向上を求め、才能豊かな人材を育成することに情熱を注ぎ込んでいた。その結晶として、「花郎」と呼ばれる若者たちの教育機関が、力強く成長を遂げていったのだ。
その次の時代の象徴とも言える存在が27代王の善徳女王(ソンドクヨワン)で、「花郎」の存在を巧みに利用して新羅を強国へと導いた。彼女は632年から647年にかけて在位して、時代劇『善徳女王』の主役としても広く知られている。彼女は即位すると、中国大陸を支配していた唐に協力を求める策を講じたが、唐の反応は冷たいものだった。
しかも、唐からは侮辱的な提案がなされた。
「貴国は女が国王になっているので、他国から侮られているのではないか。ウチの王族を送るから、その王族を国王にしたらどうか。そうすれば、協力してあげよう」
そんな言葉を唐から投げかけられた。善徳女王はこの提案に対し、激しい内心の葛藤を経て、結果的には断固として断る決断を下した。彼女は国内の人材育成に全力を注ぎ、「花郎」を最大限に活用して若者たちを重要な役職に就かせることにした。これが功を奏し、新羅は力強い国に生まれ変わり、最終的には百済と高句麗を滅ぼし、朝鮮半島を統一するという偉業を成し遂げた。
こうして、時代劇『花郎(ファラン) 希望の勇者たち』と『善徳女王』は、新羅の強国への変貌と後の三国統一への道筋を見事に描き出した作品となった。結局、新羅の歴史は単なる過去の記録に留まらず、現代にもなお、人々の心に深い感動を与えている。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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