韓国の人気俳優たちが日本発ドラマに続々出演するワケ。Netflixにとって日本は“コスパが良い”!?

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韓国時代劇『トンイ』でヒロインを好演し、日本でも高い人気を誇る俳優ハン・ヒョジュ。

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近年はDisney+シリーズ『ムービング』や『支配種』、Netflix映画『毒戦 BELIEVER 2』などで振り幅を広げている彼女が、今日本にいる。なぜならNetflix日本シリーズの撮影に取り組んでいるからだ。

撮影中の作品は映画『君の膵臓をたべたい』の月川翔監督が演出を務め、主演には小栗旬、ハン・ヒョジュ、さらに中村ゆり、赤西仁も出演する。

原作となるのは、フランス映画『Les Émotifs anonymes(邦題:匿名レンアイ相談所)』。2011年のフランス映画祭で観客賞を受賞した知る人ぞ知る良作を、Netflix Japanの投資によってシリーズ作品へ再構成するという。

(写真=Netflix)

公式ニュースでは「日本発の新作シリーズ」となっているが、実は日韓共同制作と言ってもよさそうだ。

というのも、企画・制作はNetflix映画『毒戦』『20世紀のキミ』などを手がけた韓国の制作会社YONG FILMが担当し、衣装やセットなど視覚的デザインは映画『パラサイト 半地下の家族』のイ・ハジュン、編集も同じく『パラサイト』のヤン・ジンモ、音楽は韓国のベテラン音楽監督のダルパランが務めるのだ。

ハン・ヒョジュは日韓の最高峰のキャスト・スタッフが集結した本作への出演について「韓国と日本の協力作品に出演できて嬉しい。新人の気持ちで新鮮な緊張感を感じながら撮影に臨んでいる」と感想を明かしていた。

演技においてはとことんチャレンジングな彼女だからこそ、新しい環境や変化も厭わなかったのだろう。

さらにハン・ヒョジュ以外にも、韓国のとある主演級俳優も日本のNetflix作品への出演を検討しているという。

韓国エンタメ業界だけではない。Netflixなどグローバル動画配信サービスは今、日本市場に目を向けている。

その理由は、以前に本連載でも紹介した韓国俳優たちの出演料と、韓国ドラマの制作費の急騰だ。

例えば、Disney+で配信中のオリジナルシリーズ『サムシクおじさん』に出演した俳優ソン・ガンホの出演料は、1話あたり7億ウォン(約7000万円)だったという。

『イカゲーム』シーズン2(画像=Netflix)

Netflixシリーズ『イカゲーム』で世界的スターになったイ・ジョンジェは、2024年配信予定のシーズン2では1話あたり10億ウォン(約1億円)と出演料が上がった。

このような主演級俳優たちの出演料高騰により、ドラマの制作費も総じて5倍以上に上昇。1話につき20億ウォン(約2億円)ほどかかるのが一般的になりつつある。

韓国での最終回の視聴率は『愛の不時着』の記録を超えるなど、世界的大ヒットとなった『涙の女王』の場合、1話あたり35億ウォン(約3億5000万円)、計560億ウォン(約56億円)が投じられたという。

制作費高騰の結果として、韓国ドラマ業界には深刻な不況が訪れた。

地上波はドラマ枠を縮小し、韓国国内の動画配信サービスも新作ドラマへの投資を減らしている。なかには2024年の新作シリーズの制作をすべて中止にしたところもあった。

制作費の負担を少しでも減らすため、グローバル動画配信サービスが新しく目星をつけたのが日本だ。

韓国の報道によると、日本は韓国に比べて制作費が半分で済むという。“コスパのいい”市場というわけだ。

それに日本と韓国は同じ東洋文化であり、地理的な距離も近い。つまり動画配信サービスにとっては、韓国の制作ノウハウと日本の俳優・スタッフを組み合わせることが最適解ということになるというのだろう。

2023年下半期に公開されたNetflixの非英語コンテンツの割合では韓国が9%、日本が5%を占めた。今後、日本のコンテンツの割合がさらに増える見込みだ。日韓共同、もしくは日本のドラマが韓国のエンタメ業界に新しい風を吹き込んでいくに違いない。

文=李 ハナ

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