今年の百想芸術大賞・テレビ部門で最多のノミネートを記録した『おつかれさま』。主演したIUも、最優秀演技賞(女性)の候補にしっかり入っていた。
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エスンと娘クムミョンの2役を演じたIUの存在感が際立っていたが、同作のキム・ウォンソク監督とIUが過去に作り上げた名作もまた再び大きな脚光を浴びている。それが、『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』である。
韓国で初めて放送されたのは2018年。今から7年前のことだが、このドラマは今もなお多くの人々の胸に深く根を下ろし、変わらぬ人気を保ち続けている。
IUが演じた主人公のイ・ジアンは、孤独と絶望の霧の中で生きる薄幸の娘であった。生活はまるで乾いた冬の風のように冷たく、父の残した借金という重たい鎖が彼女の若き日々を苦しめていた。
そんなとき、イ・ソンギュンが演じたドンフンとその兄弟たちと出会い、かすかな光を見つける。心の奥深くにあった希望の芽が、静かに、しかし確かに息を吹き返していく。それがこのドラマの核心であり、最も美しいテーマであった。
ドラマの後半になると、イ・ジアンはそれまでの人生になかった「とびっきりの笑顔」を見せるようになる。その描写が『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』の数々の名場面を作り出していた。
こうして同作は数々の賞に輝いたが、中でもIUの演技は見る人の心に深く沁み渡った。彼女の瞳に浮かぶ憂い、寡黙な表情、そして、爽やかな笑み…それらはすべてが詩のようであり、音楽のようであった。
『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』においてIUが放った輝きは、群を抜いて眩しかった。そのイメージを再び鮮烈に甦らせてくれたのが、キム・ウォンソク監督が新たに取り組んだ『おつかれさま』だった。
キム・ウォンソク監督とIU。傑出した才能を見せる2人は、『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』と『おつかれさま』で、韓国ドラマで史上最高クラスの強力コンビになったといえる。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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