歌手として大成功を収めただけでなく、女優としてもグローバルなヒット作に出演し、女優IUとしての地位を確立している。
Netflixオリジナルシリーズ『おつかれさま』は、IUがどれほど才能あふれる女優であり、今後の活躍にも期待が持てる存在であることを証明する作品となった。
【関連】『おつかれさま』で描かれた女性のリアルな成長、IUが魅せた最高の演技
ソウル中区のアンバサダーソウル・プルマン・グランドボールルームで、Netflixドラマ『おつかれさま』に主演したIUのインタビューが行われた。
本作は、1960年代の済州島を舞台に、小賢しい反抗児エスン(演者IU)と、お人好しの頑固者グァンシク(演者パク・ボゴム)の波乱に満ちた人生を四季の移ろいを通じて描いた物語である。
『椿の花咲く頃』や『サム、マイウェイ~恋の一発逆転!~』など、人間味あふれる物語で知られる脚本家イム・サンチュンと、『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』『シグナル』『ミセン-未生-』などで共感と癒やしを届けてきた演出家キム・ウォンソクがタッグを組み、制作費はおよそ600億ウォンが投入された。
IU、パク・ボゴムのほか、ムン・ソリ、パク・ヘジュン、ヨム・ヘラン、オ・ジョンセ、キム・ソノ、イ・ジュニョン、カン・マルグムなどが熱演している。
Netflixがこれまで一挙配信を基本としてきた中で、本作は異例の構成となっており、注目を集めた。
春を描いた第1幕(第1~4話)を皮切りに、毎週4話ずつ、計4週にわたって全16話が順次公開された。
公開から3週目にはグローバル非英語圏シリーズTOP10で1位に輝き、第4幕公開後は累計視聴数600万(総視聴時間を作品のランタイムで割った数)を記録し、最終的にグローバル非英語圏シリーズTOP10で3位にランクインして有終の美を飾った。
IUは10代の青年期のエスンから、20代、そしてグァンシクとの結婚を経て夫婦・親となる姿、さらに中年となったエスンの娘クムミョンまで、1人2役を演じきった。特に第1幕ではIUとパク・ボゴムの愛らしいケミストリーが大きな反響を呼び、クムミョンの演技も圧巻だった。
IUは『おつかれさま』のほか、MBCで放送予定の『21世紀の大君夫人』で人気俳優ビョン・ウソクと共演するなど、多忙を極める活動を展開している。
「『おつかれさま』が世界中から愛されていることについて、本当に幸せだと感じている。周囲からも多くの応援メッセージが届いた。長い間連絡を取っていなかった人たちからも反応があり、嬉しかった。多くの世代が共感できる作品になったのだと実感した。とてもやりがいがあり、幸せだった」と語っている。
続けて、「Netflixオリジナルシリーズは今回が初めてで、ヒットの基準もよくわからなかった。ただ、時間が経つにつれてスタッフの皆さんの表情が明るくなっていき、“おめでとう”という言葉をかけてくれたり、満足そうな顔をしているのを見るたびに、“ああ、うまくいっているんだな”と感じられた」と続けたのだった。
脚本家のイム・サンチュン氏が脚本執筆前に出演を提案したところ、IUは「何も聞かずに即OKした」と話す。熱烈なファンであったことが理由である。
「個人的な親交はなかったのでよく知らなかったが、ある日連絡をもらった。それほど時間が経たずに、作家の作業室でミーティングを行い、脚本をもらう前に概要説明を受けた。心臓がバクバクしていた(笑)。“作家さん、こうして話すのもいいけど、早く家に帰って台本を読んでもいいですか?”と思わず言ってしまったほどで、それほど脚本に対する好奇心が強く、会話に集中できないほどだった。ストーリーを聞いただけでも心を揺さぶる題材と展開だった。家に帰って一気に読み終えたあと、“出演したい!どうかやらせてほしい!”とすぐに伝えた。作家とのやり取りもスムーズで、全てが順調に進んだ」と当時を振り返った。
1人2役と聞いたとき、再び心が高鳴ったとも語るIUは、「胸が高鳴るようなミッションだった。不安がなかったと言えば嘘になるが、脚本を心から信じていた。そしてキム・ウォンソク監督が演出を手がけると聞いて、孤独な作業にはならないだろうという確信が持てた。大変ではなかったと言えば嘘になるが、本当にやりがいのある作品だった」と、制作陣への深い信頼をにじませた。
『おつかれさま』については、家族の反応も特別だったという。
「これまでの全作品の中で、家族がこれほどまでに熱い反応を示したのは初めてだった。私は大家族で、姉や義兄、祖母、母、父までいる。父は自分の好みがはっきりしていて、たとえ娘が出演していても納得がいかないと最後まで見ないタイプ。しかし、そんな父が夢中になって観ていたのは驚きだった。母は“うちの娘が失敗していないか”という視点で観ていたが、今では4回目の視聴中だ。まるで自分の話のように共感しているようだった。最初は“ジウンが演技しているな”という見方だったが、2回目の一気見のときには涙が出たそうだ」と家族の感想を明かした。
「クムミョンが弟のウンミョンを抱きしめるシーンが、IUが実の弟に接する姿に似ているという声もあった」と言われたことについては、次のように語っていた。
「ある程度投影された部分はあると思う(笑)。もっと面白くしたいと思っていたし、共演したユソクさんにも姉がいた。それぞれの経験が生かされた」
さらに、「弟はまだ最後まで見ていないが、そのシーンだけショート動画で見たようだった。“メソッド演技みたいだ”という反応を示していて、“お姉ちゃんの演技、すごく上手くなったね”という感想を送ってくれた」と語り、笑いを誘っていた。
IUのリアルな出産シーンも注目を集めた。そのシーンについては次のように説明している。
「台本には肌の色合いや毛細血管が破れているといった描写があった。メイクチームの方々が一生懸命に考え、勉強して作り上げてくれた。もともとメイクされるのが好きなタイプ(笑)。母や姉に出産経験について聞いてみたら、“毛細血管が切れるのはリアルだ”と言われた。出産シーンを撮影するにあたってYouTubeでも調べたが、人それぞれだった。あまり辛くなさそうな人もいれば、非常に苦しそうな人もいた。その中で自分なりの共通点を見つけようとした。監督も出産経験があるわけではないので、“ジウンさんが台本を読んで想像した苦しさを表現してくれ”と言われた。だから、自分が想像できる最大の苦しみを表現しようと努力した。声を張り上げるよりも“気を失いそう…”という演技の方が合っている気がした。監督もそちらを好んでくれた。疲れ果てた状態で、できる限りの表現をしようと頑張った」
IUと『おつかれさま』のクムミョンは似ている部分もある。家族の大黒柱として描かれるキャラクター設定が自然とIU自身を思い起こさせるという。
IUも「自分の成功に家計がかかっていると感じて、大きなプレッシャーを感じたことがある。その重圧が爆発するようなシーンでは、クムミョンに感情移入してしまった。エスンを演じたからこそ、“あなたにそれを期待して支援したわけではない。娘が望むことを応援したかっただけ”という気持ちにもなった」と話していた。
現在は誰もが羨む成功を収め、トップスターの座を手にしているが、IUは過去への感謝を忘れず、周囲への気配りも欠かさない。デビュー当時のスタッフと今も共に仕事をしており、先輩後輩を問わず、贈り物リストを自ら管理して感謝の気持ちを形にしている。
『おつかれさま』で共演したパク・ヘジュンには韓牛(ハヌ)、ムン・ソリには松茸を贈ったほか、デビュー当時に世話になった故フィソンさんの弔問にも訪れている。決して簡単なことではない。
IUは「肉食の人、ビーガンの人、お酒をたしなむ人、健康サプリを好む人などを記録している。毎年贈り物をする人の数が増えていっている(笑)。管理する量も増えて、ありがたいご縁に恵まれている。贈り物リストだけを管理する人はいない。そういう人がいたらいいなと思う(笑)。思ったより大変ではない。一度整理してあるので、メモ帳や表に追加していく。たとえば“去年の正月にはこの人にハチミツを送ったから、今年は別のものにしよう”という感じで、母とも相談する。自分が見落としていることがないか確認して、母が“あなたあの人に感謝してたよね”と教えてくれる」と、自ら丁寧に対応していることを明かしたのだった。
実は、故フィソンさんとは練習生時代から親交があったという。IUが新人時代、フィソンさんのコンサートでゲストとしてステージに立ち、「Rain Drop」のリメイクも行った縁がある。
IUは「フィソン先輩は、私が練習生だった頃から本当にたくさん褒めてくれた。お互いに共通のプロデューサーや作曲家と縁が深かった。私が通っていた練習室によく来られていて、練習生の歌を聴いてくれたり、アドバイスをくれたり、温かい言葉をかけてくれた記憶がある。今でも感謝の気持ちが残っている」と語った。
さらに「実は普段から頻繁に連絡を取っていたわけではないし、たくさん話をしたわけでもないが、新人時代に感謝する出来事が多かった。新人があのような大先輩のコンサートでステージに立つというのは、それだけで大きなチャンスをもらったということ。そういう意味で、本当にありがたい方だった」と、感謝の思いを忘れない温かい心を覗かせたのだった。
誰もが愛するトップスターという立場にいる以上、自分の意思とは無関係にゴシップや噂に巻き込まれることもある。これについて彼女は次のように語っている。
「生きてきて一度もそういうことがなかったとしたら、それは嘘だと思う。ただ、自分の性格に比べて、実際の自分より良く見てくれている部分もある。この仕事をしながら、こんなにも長く大きな愛を受けるとは思わなかった。特に公演や作品活動をしている時に寄せられるフィードバックが、正気を保てないほど大きな愛なので、噂と愛情を比べても、むしろ愛の方がずっと大きいと感じている」
2024年12月、ソウル・汝矣島(ヨイド)で行われた尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾を求める集会に参加したファンたちのために、IUはパン200個、飲み物200杯、クッパ200杯を事前決済し、話題となった。しかし、一部の極右勢力は“左IU(左派+IU)”といった悪質なコメントを投稿した。
この件についてIUは、次のように語った。
「辛いという表現も完全に間違っているとは思わないけれど、実際に自分で映像を見たりしたことはない。“なぜ私にだけこんなことを?”と思ったこともない。こういうのも、受け止めなければならない部分ではないかと思う。見方によっては、それだけ関心が高いということでもあるし。“自分っていつから、良い意味でも悪い意味でも、こんなに注目を集める人になったのだろう”と不思議に思ったりもする。ただ、そうやって考えるようにしている。でも、深刻に一線を越える表現があったり、会社の立場からも“これは見過ごしてはいけない”というような、大きな誤解を生もうとする動きがある場合には、制裁は常に必要だと考えている。“なぜ自分にだけ?”とはあまり思わない性格である」
作品ごとにメガヒットを記録しているIU。脚本の目利きとしても知られているが、次回作ではビョン・ウソクと共演する予定である。
「最近、突然降板説が出た」との話には、「私もその噂を聞いて本当に驚いた。昨日も監督とお会いして作品の話をしていたのに、突然降板説が浮上して“え?何のこと?”と困惑した。芸能界で活動していると、“火のないところに煙は立たない”ということもあるんだなと感じた。記事の文言があまりにも断定的だったので、“私、降板させられたの?そんな話あったっけ?”と思ってしまった。降板説は本当に誤解だったようだし、ウソクさんも降板しないと聞いている。現場でも“一緒に頑張ろう”と話したばかりだ。これからも一緒に頑張っていかないと(笑)。昨日も監督と会ったし、ウソクさんも引き続き参加されていると聞いている。胸の高鳴りはあるが、プレッシャーがないわけではない。エスンやクムミョンとはまったく違うキャラクターなのでドキドキしているけれど、今日はまだエスンで、明日からは『21世紀の大君夫人』のヒジュになろうと思っている」と微笑んだのだった。
■【写真】IU、破談になった彼とにらめっこ!? 第3幕の心温まるオフショット大放出
前へ
次へ