IUがNetflixシリーズ『おつかれさま』で再び“人生最高の演技”を更新した。
最終第4幕が配信され、長い物語がついに幕を閉じた。第1幕から第4幕まで物語を牽引してきたIUは、引き込まれるようなナレーションと、キャラクターの感情を緻密に表現した卓越した演技によって、視聴者から高い評価を得ている。
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特に最終幕では、クムミョンというキャラクターの成長と変化をより深みのある演技で描き出し、強い余韻を残した。
第4幕ではクムミョンの人生を左右する大きな出来事が次々に描かれ、IUの繊細な感情表現が一層際立った。とりわけ出産シーンでは、陣痛の始まりから赤ん坊の産声を聞く瞬間まで、産婦の感情の揺れを丁寧に演じきった。
赤ん坊が動かないという知らせを受けた際の恐怖と切迫感に満ちた眼差し、極限まで体力を消耗しながらも必死に力を振り絞る姿、そして完全に力尽きて頭を後ろに垂らす一瞬に至るまで、リアリティのある演技で視聴者の没入感を高めた。
また、家族を守ろうとするクムミョンの芯の強さも説得力をもって表現された。病院で両親を安心させようと、「お父さん、心配しないで。怖がらないで。私ここにいるよ。ずっとここにいるから、分かるでしょ?」という台詞を淡々とした口調で語り、しっかり者の娘としての一面を見せた。
父・グァンシクの病を知った後には、揺れる目線と流れる涙、震える唇を通して、不安と冷静さの狭間で揺れる感情を繊細に表現し、深い感動を与えた。
IUは『おつかれさま』を通じて、シーンごとに異なる感情を細やかに描き出し、作品に真実味を吹き込んだ。全4幕を通して一瞬たりとも気の抜けない演技を見せ、IUがこの作品にいかに強い愛情をもって臨んでいたかがひしひしと伝わってきた。
目線、呼吸、表情、話し方、仕草に至るまで細かくコントロールし、エスンとクムミョンという2つのキャラクターを立体的に作り上げた結果、ただの成長物語ではなく、2人の人間の奥深い人生そのものを描き出すことに成功した。
同じキャラクターでありながら、シーンごとに異なる感情の層を描き分け、人物の多面的な魅力を最大限に引き出したIUの演技の幅は驚異的だった。キャリアウーマンとしての堂々たる姿、母親としての温かさ、両親に甘える娘の姿、そして頼れる存在としての一面まで、すべてを完璧に演じきった。
繰り返されるナレーションの中でもIUの演技力は際立っていた。「一つの扉が閉じれば、必ず他の扉が音を立てる」という同じ一文であっても、状況に応じた感情や語り口によって違う響きを生み出し、物語への没入感をさらに深めた。
この作品を通して、IUは女優としてまた一段階ステップアップを遂げた。新たな挑戦であった1人2役を見事に演じ分け、高い没入力をもつナレーションと緻密な演技の変化によって、表現力の深みをより一層広げ、視聴者に強烈な印象を残した。
最終幕の公開後、IUは所属事務所を通じて次のようにコメントを寄せた。
「さまざまな世代の物語が詰まった『おつかれさま』で、青春時代のエスンとクムミョンを演じられたことは、私にとって大きな光栄でした。困難な時こそ、静かに励まし合い支え合うトドンリの人々のように、長く多くの視聴者のそばに寄り添う温かな作品として記憶されることを願っています。熱いご声援を送ってくださった皆さん、本当にありがとうございました」
なおIUは次回作『21世紀の大君夫人』でも女優としての活躍を続ける予定だ。IUは同作で、財閥トップの家に生まれ、美貌と知性、そして強烈な勝負欲を兼ね備えたソン・ヒジュを演じる。
『おつかれさま』で見せた完璧なキャラクター表現と安定した演技力をもって、今度はどのようなソン・ヒジュを描くのか、期待が高まっている。
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