日本の韓流ファンに韓国時代劇の代表的な女優を挙げてもらうと、今までなら『宮廷女官 チャングムの誓い』のイ・ヨンエと『トンイ』のハン・ヒョジュが双璧だったに違いない。
2つの作品は、日本で人気の韓国時代劇の傑作だと評価されている。主人公を演じたイ・ヨンエとハン・ヒョジュは、「時代劇のヒロイン」として大人気だったのだ。
それに加わってきたのがチン・セヨンだ。
彼女はもともと新人女優に過ぎなかったのだが、「時代劇の巨匠」と呼ばれるイ・ビョンフン監督に抜擢されて『オクニョ 運命の女(ひと)』の主演女優となった。
彼女にすれば、一夜にして世界がバラ色に輝いたことだろう。そして、『オクニョ』を通してチン・セヨンは、新しい時代劇のスターになった。
さらに彼女は立て続けに時代劇に主演した。『不滅の恋人』で朝鮮王朝の王子と究極の愛を繰り広げ、評価を不動のものとしたのだ。
それだけではない。韓国で最新時代劇の『揀択(カンテク)~女人たちの戦争』でも堂々と主演女優を務め、さらに名声を高めた。
確かに、時代劇ばかりが続いて、役柄が固定することを危惧する人たちもいたのだが、チン・セヨンはそれでも果敢に時代劇に主演している。
チャンスを確実にモノにする女優魂がすごい。
実際、『オクニョ』と『不滅の恋人』はNHKで大々的に放送されたので、韓流ファンだけでなく一般の人にもチン・セヨンの存在は知られるようになった。
現在はテレビ東京の韓流プレミアで『不滅の恋人』が平日の朝に放送されている。
そして、『オクニョ』では監獄で生まれたという設定だったが、『不滅の恋人』では両班(ヤンバン)の娘に扮している。良家のお嬢さんとして登場するので、艶やかな韓服をまとっている。その姿が本当に絵になっている。
さらに、時代劇に必要な所作も申し分がない。まさに新しい「時代劇クイーン」と呼ぶのにふさわしい女優だ。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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