【『哲仁王后』の一番気になる「その後」】哲宗は最後までどんな人生を送ったのか

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テレビ東京で放送されてきた『哲仁王后~俺がクイーン⁉~』もついに終わりを迎えた。本当に面白いドラマだった。最も感心したのは、25代王の哲宗(チョルジョン)の描き方だ。このドラマでは哲宗が、「操り人形」の身分に甘んじないで真剣に努力して民衆のための国王になろうとしていた。

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こんな立派な国王は他にいないほどだった。演じたキム・ジョンヒョンも誠実な国王の姿を凛々しく演じて素晴らしかった。

そういう意味で、『哲仁王后~俺がクイーン⁉~』は哲宗のイメージをグレードアップしたドラマだったといえる。

しかし、現実は厳しい。やはり、史実の哲宗は、安東・金氏(アンドン・キムシ)に支配された王朝政治の犠牲者であり、「操り人形」の立場を変えることができなかった。そのために彼は、失意のままに「酒と女で身を滅ぼした国王」と呼ばれてしまった。

実際、哲宗は酒の飲みすぎで体調を崩し、1863年に31歳で亡くなっている。

キム・ジョンヒョンが哲宗を演じた(写真=© STUDIO DRAGON CORPORATION)

「酒と女」で命を縮めた王

短い人生は決して幸せとは言えなかっただろうが、彼なりに一生懸命に政治に向き合おうとしたことは事実である。

特に哲宗が関心を示したのが、「貧しい人々を救済すること」や「天災や火災で被害を受けた人たちを支援すること」だった。事実、哲宗は困難に陥った人々を助けるための政策に尽力している。

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© STUDIO DRAGON CORPORATION

彼はもともと性格が優しかったのだ。国王が絶対君主として政治の主導権を握れる時代であれば、数々の善政を行なっていたに違いない。しかし、時代が悪かった。安東・金氏が政治を牛耳り、国王も権力を掌握することができなかった。

それがどんなに不本意であったことか。鬱屈した気持ちを抱えてしまったがゆえに、結局は大酒を飲み宮女に溺れるようになった。
本来は健康体であった若き哲宗も、「酒と女」で命を縮めることになった。

そんな哲宗が理想としていた政治を『哲仁王后~俺がクイーン⁉~』というドラマが代わって実行してくれた。これによって、彼の名誉が少しは回復したかもしれない。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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