チョン・イル主演で日曜日の午後11時から放送されている『ヘチ 王座への道』。
このドラマの第16話で20代王・景宗(キョンジョン)が病状の悪化を理由に、世弟(セジェ)のヨニングン(延礽君)に代理聴政(テリチョンジョン)を任せる場面が描かれていた。
その代理聴政が行なわれる理由が2つある。
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1つ目は、国王が未成年で即位した場合だ。
朝鮮王朝には27人の王がいるが、幼い年齢で即位した王が実際に何人もいた。その幼い王の代わりに政治を仕切っていたのは当時の王族の最長老女性である。
2つ目は、『ヘチ』で描かれたように国王の病状が悪化した場合だ。
『ヘチ』の主人公ヨニングンが王となった英祖(ヨンジョ)が病を患ったときは、その際に22代王・正祖(チョンジョ)代わりに政治を行なっていた。
他にも代理聴政を任された人物と言えば、23代王・純祖(スンジョ)の息子の孝明(ヒョミョン)世子だ。
俳優のパク・ボゴムが時代劇『雲が描いた月明り』で演じた人物で、頭脳明晰で優秀だった孝明世子は、世子として代理聴政を任されるほどの統治能力があった。
それでも彼は18歳という年齢を理由に代理聴政を断るのだが、国王である父親の純祖の命により代理聴政を任されることになる。
実際に代理聴政を行なった孝明世子はしっかりと実績を作ったのだが、残念ながら21歳の若さで世を去ってしまった。もし彼が王になっていたら朝鮮王朝の歴史はどうなっていたのだろうか。
以上のように、朝鮮王朝518年の歴史の中で何度も繰り返されてきた代理聴政。
『ヘチ』で景宗から代理聴政を任されたヨニングンはどのような政治を行なうのかが興味深い。
文=大地 康
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