王宮にいる女官の仕事はどのように分かれていたのか

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韓国時代劇で一番多いのは、朝鮮王朝時代の宮廷ドラマである。そうした作品では、働く女官たちがたくさん出てくるが、それぞれがどんなふうに仕事を分担していただろうか。

まずは、仕事の中身を見てみよう。

【歴史秘話】王宮で暮らす女官たちの贅沢、野望、寂しい晩年とは?

女官たちの仕事は、大きく分けると8つの部署に分かれていた。

(写真出典=ドラマ『花たちの戦い~宮廷残酷史』より)

それは以下の通りだ。

・至密(チミル)     王と王妃が住んでいる宮殿で世話係をする

・針房(チンバン)    王や王妃のために専用の衣服や布団を作る

・繍房(スバン)     衣服に付けるとても大事な刺繍を作る

・水刺間(スラッカン)  王や王妃の食事をたくさん用意する

・生果房(セングァバン) 王宮の飲料水を管理したり菓子を作ったりする

・焼酎房(ソジュバン)  祝い事に必須の焼酎を作って用意する

・洗踏房(セダッパン)  王族のために洗濯をして衣服を管理する

・洗水間(セスガン)   王宮の中で洗面水や浴槽水を管理する

この中で、韓国時代劇を見ていた人が一番なじみのあるのが水刺間だろう。『宮廷女官 チャングムの誓い』でよく登場していたからだ。イ・ヨンエが演じたチャングムは前半では水刺間の料理人だった。あのドラマを通して水刺間の仕事の様子が詳しく描かれていた。それはとても興味深いものだった。

その他で重要な部署とされたのが至密である。実際に王や王妃のそばで日常の世話をするので仕事も大変だった。それだけに、熟練した女官たちが担当していた。

他にも針房と繍房が部署として重んじられた。高貴な方々が着る衣服や、それに付ける刺繍を作るには高度な技術が必要とされたので仕事の格が上だったのだ。

こうした重要な部署の女官たちは、チマ(スカート)の着付けも大きく違っていた。自分たちの自尊心を表すためにも、至密と針房と繍房の女官たちはチマを左巻きに着付けていたのである。通常は右巻きにしなければならなかったのだが、重要な部署の場合はチマの着付け方にも変化をつけていた。それだけ、他の部署の女官たちとは、特別な差がついたのである。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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