『カンテク』でも絶大。王の祖母・大王大妃=テワンテビの権力はいかほどだったか

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テレビ東京の韓流プレミアで放送されている時代劇『カンテク~運命の愛~』では、女優のチョン・エリが大王大妃(テワンテビ)・ミン氏を演じている。

この大王大妃は、とにかく『カンテク』の中でも大きな影響力を持っている。王妃を人選したり高官に指図したり……。王宮で国王以上に権力を保持しているという印象だ。

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それは、実際の歴史でも同様だったのだろうか。

朝鮮王朝は国王が絶対の権力者であることは間違いないが、同時に、王族は儒教をしっかり守らなければならなかった。

『カンテク』でチョン・エリが演じている大王大妃(ドラマ『カンテク』TV CHOSUN ポスター)

悪女の中の悪女

儒教といえば、最高の徳目は「孝」である。つまり、両親や祖父母を敬うことが人間関係の基本になっていた。

しかも、王族は国の模範として長幼の序を真っ先に示す必要があった。それによって、国王といえども、王宮の中で母や祖母を一番大切にしたのである。

国王の母は大妃(テビ)であり、祖母は大王大妃(テワンテビ)と称するが、もちろん、王族の最長老となるのは大王大妃だ。

それゆえ、国王も朝起きたら、真っ先に大王大妃に挨拶に出向くのだ。

こうした大王大妃は政治に口をはさまないことを美徳としていたが、中には政治的にいろいろと画策した大王大妃が歴史にも登場している。

一番有名なのは、『イ・サン』でもよく出てきた貞純(チョンスン)王后だ。彼女は21代王・英祖(ヨンジョ)の二番目の正室だが、22代王・正祖(チョンジョ)が亡くなったあと、大王大妃として実権を握り、キリスト教徒の大弾圧を行なって多くの信者を殺した。

まさに、悪女の中の悪女と言える大王大妃だが、それくらい大王大妃というのは恐ろしい存在だったのである。

『カンテク』の大王大妃・ミン氏は史実の貞純王后ほどひどい悪女ではなかったが、それでも大王大妃の地位を利用して自らの影響力で政治を恣意的に動かそうとしていた。

それができるのも大王大妃の立場の強さなのである。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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