『ヘチ』で描かれた科挙の不正は実際の歴史でもあったのか

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NHKの総合テレビで放送中の『ヘチ 王座への道』は本当に面白い。特に、主役のチョン・イルがすばらしい演技を披露してドラマを盛り上げている。

そんな中で、第6話で科挙の不正ということが大々的に扱われていた。

そこで、実際の歴史でもあった科挙の不正問題を取り上げてみよう。

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そもそも、科挙というのは、国家が行なう官吏登用試験のことであり、朝鮮王朝では特に重要視してきた。

わかりやすくいえば、いくら家柄が良くても、科挙に合格しなければ高級官僚にはなれなかった。エリートをはずされてしまうわけで、良家の御曹司たちは必死に勉学に励んで科挙の合格をめざした。

朝鮮王朝時代の科挙制度を再現した行事が今でもしばし行われる。

犯罪的な不祥事が頻発

科挙にはいくつかの学科があり、中心は「文科」だった。これに受かると、エリート中のエリートになれた。他には「武科」「雑科」などがあった。

科挙は3年に1回実施された。最初に「初試」という1次試験が各地方で行なわれ、合格すると都で2次試験に当たる「覆試」を受け、さらに合格すると、王の御前で「殿試」を受ける。これが最終試験だ。これに受かると、晴れて高級官僚の卵になることができた。

しかし、朝鮮王朝の後期になると、科挙の不正が大問題になってきた。なにしろ、あまりに犯罪的な不祥事が頻発したという。

それでは、実際にどんな不正がはびこったのか。

代表的な不正を書き出してみよう。

「替え玉が受験する」

「勝手に参考書を試験会場に持ち込む」

「先に外で書いた答案用紙を提出してしまう」

「不正に関与するような怪しい人物が試験会場にもぐりこむ」

「隠れてカンニングをする」

「あらかじめ試験問題を手に入れておく」

こうした不正が蔓延したという。

結局、不正が摘発されて、科挙は存続すら危うくなるほどであった。そういう混乱は、『ヘチ』が描いたとおりであった。

最終的には、試験方法を厳格にすることで科挙は不正を防ぐようになった。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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