『100日の郎君様』で痛快に登場した暗行御史(アメンオサ)とは何者か

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NHK総合テレビで毎週日曜日午後11時から放送されている『100日の郎君様』。ド・ギョンス(EXOのD.O.)が演じている主人公のウォンドクがとてもいいキャラクターをしている。

しかし、第7話では、地方の役人に徹底的に苦しめられて窮地に陥ってしまう。そんな場面で助けてくれたのが暗行御史(アメンオサ)だった。まさに、見ている人たちが喝采をあげた存在だったと言える。

この暗行御史とは何か。朝鮮王朝時代に地方官僚たちの不正の監視と民心の調査のために王が派遣した特使のことだ。

そして、この暗行御史に選ばれる人物は、王の絶大な信頼を得たひと握りの逸材だ。そうして暗行御史に任命されたら、事目(サモク)、鍮尺(ユチョク)、馬牌(マペ)という3つの道具を持って隠密として各地をまわった。

まず、事目とは、公務について書かれた本のことだ。
次に、鍮尺は死体検分に使う真鍮製の物差しである。
最後の馬牌は身分を証明するものだ。

これらを持っていれば、どの地方でも役人や警察を動員することができた。

暗行御史は身分を隠し、ときには物乞いに扮しながら悪徳役人の正体を暴こうとする。

もし不正を見つけたら、馬牌を高々と掲げ、「暗行御史、出頭!」と叫んだ。すると、手配した警察が悪徳役人をつかまえるのだ。

ド・ギョンス演じたウォンドク(写真=tvN『100日の郎君様』韓国ポスター)

朝鮮王朝時代には多くの優秀な暗行御史がいたが、その中でも最も有名なのが朴文秀(パク・ムンス/1691~1756年年)だ。

彼はもともと、歴史を編纂する優秀な官吏だった。しかし、33歳のときに権力争いに巻き込まれて官職を剥奪された。

幸いに3年後に復職。以後は、暗行御史として各地を巡回し、役人たちの不正を調べた。

なにしろ、朴文秀は民衆が苦しんでいる声を聞くと、すぐに暗行御史として活動して、その苦しみを救った。民衆から見たら救世主のような存在だが、不正官僚から見たら鬼のような存在だった。

「暗行御史、出頭!」。この声によって、どれだけ悪徳官僚の不正が糾弾されたことか。

それは、『100日の郎君様』の重要な場面でもしっかり描かれていた。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)
 

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