日本ではDisney+で配信中のドラマ『私たちの映画』。物語も後半に入ってイ・ジェハ(ナムグン・ミン)とイ・ダウム(チョン・ヨビン)の関係が、一線を超える親密度を見せるようになった。
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それまでジェハは感情をずっと抑えていた。ダウムは映画『白い愛』の主役なのだが、演じるキャラクターと同じように、現実にも余命宣告を受けている。
それでもあえてジェハはダウムを主演女優に指名した。ダウムの演技力が素晴らしかったことが抜擢の理由だ。もう一つは、彼女を起用すれば自分の創作意欲が高まるとジェハが信じたからである。それほど、ダウムの潜在力は高かった。
同時に、ジェハはいつしか気づき始めていた…ダウムに恋愛感情を持ち始めている、と。それゆえ、あえてそっけない態度を取って、ダウムの心にあまり深入りしないように気をつけていた。
しかし、実際に撮影が始まってみると、ジェハも感情を抑えることができなくなってきた。大きいのは、ダウムの「初恋の人」が撮影チームに加わったことである。
彼の存在がジェハの心をかき乱していたことは間違いない。ダウムが「初恋の人」と会話をするたびに、ジェアの気持ちが落ち着かなくなっていった。
さらに、映画制作の現場では難問が待ち構えていた。余命宣告を受けていて発作を起こすこともあるダウムが、最後まで厳しい撮影に耐えられるのか、ということだ。
もちろん、ダウムが撮影に集中できるように、ジェハは最善の注意を払ってきた。そうした配慮もあり、実際に撮影現場でダウムは本来の演技力を十分に発揮していた。
その状態を維持するためにも、ジェハは「監督と主演女優」の関係をしっかり守り抜くつもりだった。しかし、心を寄せてくるダウムの気持ちを拒むことができず、ついに美しい夕日の輝く浜辺で2人はくちびるを合わせた。それは、一線を超えようとする瞬間だった。
これから2人の関係がどのように進展していくのか。終盤に向けて『私たちの映画』はドキドキするような展開になってきた。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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