俳優キム・ジフンがこれまでの23年間を振り返った。
キム・ジフンは『もうすぐ死にます』の結末に対する考えも伝えたりもした。
劇中、恐ろしい悪事を犯したパク・テウは結局両足を失い植物人間状態で一生を生きなければならなくなった。その場面についてキム・ジフンは「実はすごく不思議だった。撮影当時は青色の全身タイツを着ていたが、CGがあまりにもすごくて、紛らわしいほどだった。本当に違和感がなかった」とし、「(パク・テウの最後が)いくらでも、もっと壊れても大丈夫だった。パク・テウの最後が凄惨であるほど、壊れるほど、可哀想であるほど良いと思った。テウにとってその最後は死よりも過酷な刑罰を受けたと思う」と振り返った。
ただし最終回でチェ・イジェは自殺する直前、屋上で目を覚まし再び生きる機会を得ることになるが、その結末には一部視聴者から物足りなさを感じるとの声があがったりもした。
この反応にキム・ジフンは「どうしても物語を大きく広げすぎたので、皆を満足させる結末は不可能だと思う。しかし、私はこの程度なら遵守していると思う。開かれた結末でもあり、イジェが自身の過ちを大きく悔やんだのではないか。大きく反省する人には機会を与えるのが人情でもあるし。神様が厳しすぎるのも悲しいことではないだろうか。神としておおらかに対処する結末もいいと思う」と所信を示した。
「また悪役でもいい」
多くの作品に出演してきたキム・ジフン。これまで、“オムチンア”(お母さんの友達の息子)や大企業の副社長のような役で週末ドラマに登場した。その後、2020年のドラマ『悪の花』を皮切りにNetflix映画『バレリーナ』などで強烈な悪人を演じ、深い印象を残している。
続く悪役としての活躍については「人々が見るには似たような悪役に見えても、私にとっては実はすべてのキャラクターが違う感じ。ただ、悪役を演じる時は練習して準備する過程が大変だ。私が普段作る必要のない表情や雰囲気を作らなければならないので、鏡を見ながら本当にたくさん練習する。『もうすぐ死にます』の撮影中も使わなかった筋肉を使わなければならないため、しばらく喉に痛みがかかったりもした。実際、悪役ではない役の方がもっと気楽にできる」と打ち明けた。
それでも最近は悪役で視聴者を訪れるキム・ジフン。しかし、続く悪役は意図的ではないと説明している。「オファーがくる作品の中で一番良いと思う作品、役を選択した結果、それが結果的に悪役なだけ」とし「『もうすぐ死にます』も見るやいなや『やばいな!』と思った。会社では当時1・2話だけの台本が出ていたので、とりあえずという感じで『一度確認してみて』と言われたが、私は見てすぐに『やばすぎる』と思った。8話は見るたび、未だに号泣する。初めて台本を読んで、リーディングをした時。そしてドラマを見るたびに8話は、本当に気絶する。そこに役まで魅力的だから、絶対にやらなければならないと思った。そうやって決めていると悪役だった」と釈明した。
キム・ジフンは「前の作品である『バレリーナ』を含む以前の作品で悪役を演じたことを考えないわけではなかった。だが、むしろそのイメージを破りたかった」とし「次回作が再び悪役でも私は構わないと思う。私が(似たような)悪役をずっと演じていると言う方もいるだろうが、みんながいつも同じ意見を出すわけではない。だからそういうことを気にするよりは、本当に作品を見て『これは本当に良い話だ』という確信ができれば悪役を継続することもできないことではないと思う」と強調した。
「簡単な演技はなかった」と振り返るキム・ジフンは、次にやりたいジャンルに「コメディ」と「ロマンス」を挙げ、注目を集めている。「幼い頃からコメディが大好きだ。昔のインタビューの時も話したが、チャウ・シンチーとジム・キャリーが私の10・20代の時に影響をうけた俳優だ。事実上、コメディ的な要素を見せることがあまりなかったようだが、後に良い機会と作品があればやってみたい」として「ロマンス的な部分も年輪が積もるので、『今は本当にうまくできる』という気がする」と笑顔を見せた。
2002年、ドラマ『Loving You』でデビューしたキム・ジフンは、今年でデビュー23年目を迎えた。これまでの俳優生活を振り返り「本当に長くやったな、と思う。もう23年目だなんて。私がデビューしたのか、と思うくらいだ。本当に長い時間なのに、私には長く感じられないのも不思議だ。本当に演技者としてほぼゼロから始めた。なぜなら、その前から演技者の夢を育てたのではなく、演技をしながら初めて演技に関心を持ち始めたから。だからか本当に一生懸命熾烈に生きてきたんだなと思う」と伝えた。
それと共に「『もうすぐ死にます』は私のフィルモグラフィで圧倒的に前面に出すに値する作品になりそうだ。パク・テウというキャラクターもとても記憶に残りそうだ。このドラマを見た視聴者の方々にも“人生ドラマ”として定着する方々が多いと思う。頑張った分やりがいを感じる作品」とし「今年はどうなるかまだ決まったことが何もなくて。どんな面白いことが起こるか、楽しみにしている。与えられることがあれば一生懸命やろうと思う。演技者はいつも新しいスタートだ。どんな役をやっても、新しい作品、新しい役だ。キャラクターを作る過程を経なければならない職業だからだ。このようなことを20年以上やってきたが、心配でもあり、怖くもあり、面白い」と今後の活躍をさらに期待させた。
そんなキム・ジフンが色気たっぷりの悪役を演じる『もうすぐ死にます』はプライムビデオを通じて視聴可能だ。
(記事提供=OSEN)
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