俳優チョン・イルが『韓ドラ時代劇.com』とのインタビューに応じ、公開中の映画『高速道路家族』の見どころをたっぷりと教えてくれた。
【関連】「スキャンダル皆無」チョン・イルの健全な精神と健康管理とは?
『高速道路家族』は、ホームレス一家と裕福な夫婦、2つの家族の偶然の出逢いが火種となるパラサイティック・スリラー。第27回釜山国際映画祭で「『パラサイト 半地下の家族』を超える衝撃作!」「ユーモア、サスペンス、アクション…映画のすべてが詰まった傑作」と称賛され、本国の公開でも、観客・批評家の熱狂を呼び、スマッシュヒットを記録した話題作だ。
本作で7年ぶりのスクリーン復帰を果たしたチョン・イル。
映画が完成された時の感想を聞かれると、「映画を撮り終えて(完成を)待つ時間はワクワクと同時に緊張感もあった。僕は釜山国際映画祭で初めて鑑賞したが、惜しかった部分もあるけど思ったよりうまく仕上がっていて、満足と失望が同時に湧いた。そして周囲からは『ビックリした』という反応が多かった。僕の両親もすごく驚いた。僕がこんな演技をするとは想像すらしてなかったという話を聞いて、俳優としてありがたい作品だなと思った」と話した。
チョン・イルは劇中、高速道路のサービスエリアを点々としながら暮らすホームレス一家の父親・ギウ役として新境地に挑んだ。最も大変だったシーンと楽しかったシーンについては次のように語る。
「やはり子供たちとキャンプ生活をするシーンは、僕もすごく楽しみながら撮影した。そしてとても大変だったのは、ギウが家族と別れたあと、急激な感情の変化を経験する時だ。実は彼の感情変化というのは正常ではないものなので、どうやって表現すべきかすごく悩んだ。監督ともたくさん話し合って答えを見つけようとして、現場で監督を信じて撮影に臨んだのが大きく役に立ったと思う」
日本公開初日だった4月21日、舞台挨拶にも登壇した彼は、日本の観客が注目してほしいポイントについてこう言う。
「まず、2つの家族がおかれた環境の違いを注意深く観ていただくと、面白さが見つかるはずだ。また、僕が演じたギウの感情の変化にも注目してほしい。さらには、観察者として描かれるギウの娘・ウニ(演者ソ・イス)の気持ちを想像しながら観ても面白い。僕も一度そうやって観てみると、新しく見えてくる部分があった。誰か1人のキャラクターをフォローしながら観た時、また多様な解釈ができるというのがこの映画の魅力だと思う」
今回、夫婦を演じた女優キム・スルギについては「僕も彼女からたくさん学んだ。僕より年下だが、学ぶことが多い役者だと思う。彼女と監督を僕のYouTubeチャンネルに招いて『高速道路家族』のコメンタリーを撮ったことがあるが、その時も『きっとすごい女優になる』と感じた」と称賛。親子を演じた子役たちとの撮影については「一緒におやつを食べたり、おしゃべりしたり、たくさんスキンシップをとりながら、撮影ではなく遊ぶような雰囲気を作ろうと頑張った。彼らの目線に合わせようとかなり努力したつもり」と明かした。
そして女優ラ・ミランと共演したことについては、次のように話す。
「ラ・ミラン先輩は僕の主演ドラマ『ポッサム~愛と運命を盗んだ男~』にカメオ出演してくださった時に『近いうちに共演したいです』と言っていたら、すぐに実現して驚いた覚えがある。実は劇中で絡むことはあまりないが、撮影が終わって一杯飲んだりする時に先輩が持つ価値観や役者としての深みを感じることができて、すごく勉強になった。現場でもひたすらキャラクターになりきっている姿がとても印象的だった。また機会があれば一緒に共演したいと思っている」
(後編に続く)
前へ
次へ