韓国でも有名な「アラン伝説」をベースに作られた時代劇『アラン使道伝』【名作劇場】

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自分の死の真実を追い求める記憶喪失の幽霊――。そして、霊能力をもつ「相棒」。この、きわめてユニークな主人公設定が、私たちに極上の冒険譚を用意してくれた。

舞台は漢城(現在のソウル)から遠く離れた慶尚道(キョンサンド)・密陽(ミリャン)。また「使道」とは朝鮮王朝時代の地方官を意味する。主役のウノは、霊能力を持ってはいるが幽霊嫌いという使道なのである。

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このウノを演じるのがイ・ジュンギ。映画『王の男』やドラマ『イルジメ(一枝梅)』などの作品により、アジア各国で広く人気を集めた彼にとって、除隊後の復帰第一作となる。

兵役によるブランクをものともせず、彼はファンや視聴者の期待にみごとにこたえている。

見る者を圧倒する迫力たっぷりのアクションシーンが売り物の1つだが、イ・ジュンギは体を張り、ドラマを大きく盛り上げている。

ワイヤーアクションや殺陣などのシーン撮影を、スタントマンを使わずに自演でこなしたことからも、本作にかける彼の意気込みが伝わってくる。

(写真=『アラン使道伝』DVDパッケージ)

ヒロインの幽霊アラン役を演じるのはシン・ミナだ。アランは自分がどうして死んでしまったのかわからず、自分の正体を知るために現世をさまよう、記憶喪失の幽霊である。

このドラマのベースとなっている「アラン伝説」について紹介しよう。

「アラン伝説」とは、今から400年ほど前の民話である。

慶尚道(キョンサンド)の密陽(ミリャン)には、すべての男性が憧れる才色兼備の阿娘(アラン)という娘がいた。ある日の月夜、彼女はペクという男に告白されるが、断ってしまう。

そのことに怒ったペクは、手にもっていた短刀で、アランを殺してしまうのだ。

一方、「娘が駆け落ちしてしまった」と勘違いしたアランの父親は、郡守を辞任する。その後、密陽にやってきた郡守はみな、アランの怨念により死んでしまうこととなる。

そんななか、李上舎(イ・サンサ)という人物が郡守として赴任してきた。

赴任の日の夜、李上舎の目の前にアランが現れる。彼女を見た李上舎は、その姿からアランがひどい死に方をした事実を知る。2人は協力して、犯人であるペクに白状させることに成功する。アランの恨みを見事に晴らした李上舎は彼女の骨を埋葬した。するとアランは魂と体を取り戻し、成仏したという。

【あらすじ】ウノはアランの記憶を蘇らせることができるのか

小さいころから霊能力を持つウノは、自分の記憶を取り戻すために現世をさまよう幽霊アランと出会う。しかし幽霊嫌いのウノは、彼女に対して見えないふりをしていた。ひょんなことから使道(サト)になった彼はアランの正体さがしを手伝う。

ウノはさまざまな方法でアランの記憶を蘇らせようとするが、いっこうに戻る気配はない。彼女は自分がなぜ死んだのかを聞きに、あの世で玉皇上帝と閻魔大王に会いに行くが真相はわからず、2人から「自分で真実を明かせ」と言われ、新しい命を授かった。

あの世から、人として戻ってきたアランにとまどうウノ。彼は頭脳明晰ではあるが、母親に弱いという唯一の弱点を持っていた。ウノは使道としてアランの正体さがしを手伝いながら、やがて運命的な事件に巻き込まれていくことになる……。

文=大地 康

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