世界中にファンが非常に多いK-POP。実は韓国はK-POPだけでなく、シンガーソングライターやデュオなどの楽曲もよく聴かれており、実際に街中で耳にすることも多い。
そこで今回は、韓国ドラマのOST(Original Sound Track・オリジナルサウンドトラックの略)として使用されている楽曲・アーティストを中心に紹介していきたいと思う。
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Car the garden(카더가든)
韓国R&Bのシンガーソングライター「Car the garden」。もしかするとまずは歌手としてではなく、おふざけに全振りした面白いコンテンツをYouTubeにあげているお兄さん、として初めて知った方も多いのではないだろうか。
そんな彼のおふざけYouTubeチャンネルの카더정원(直訳:Car the 庭)には、アイドルやタレントたちも数多く出演している。ややワイルドな見た目とは裏腹に、歌声はハスキーで甘い雰囲気だ。
韓国ドラマのOSTも数多く担当。日本版のドラマ配信も始まった『私の夫と結婚して』の韓国版のOST『내겐 아무 소원 남아있지 않아요(My All Dreams Come True)』、アコースティックでポップなメロディがドラマにマッチしている『女神降臨』の『Happy Enging』、フォーク調でシンプルなメロディラインで耳馴染みのよい『海街チャチャチャ』の『Romantic Sunday』など、ドラマファンなら一度は聴いたことのある楽曲を歌っている。
YouTubeのおふざけ炸裂の彼の姿とのギャップに驚く方もたくさんいるのではないだろうか。2025年9月にはシンガーソングライターのO3ohn(オジョン)との日本公演開催も決定している。これからもっと日本で目にできる機会が増えてほしいと願うアーティストの一人だ。
10cm(シプセンチ)
2010年に2人組でデビュー。元々は相方がいたが脱退して、現在はシンガーソングライターとして活動中。韓国では、バスキン(버스킹)といういわゆる路上ライブから有名なった歌手としても知られている。
2024年に韓国内ではもちろん海外でも大ヒットしたドラマ『ソンジェを背負って走れ』の『봄눈(Spring Snow)』、やさしく甘いアコースティックギターのメロディが初恋リバイバルドラマにぴったりな『その年、私たちは』の『서랍(Drawer)』、2025年話題のドラマ『未知のソウル』の『노을(Hush of Sunset)』など、このほかにも音楽監督とタッグを組み多くの韓国ドラマOSTを担当。
甘い歌声と爽やかなメロディのコンビネーションといったら、「最高」以外の言葉が出てこない。OSTとして有名な曲以外にも、やや拗らせ気味の歌詞がなんともいえない『봄이 좋냐??(What The Spring??)』などもおすすめだ。
CHEEZE(チーズ)
2011年の4人組でデビューし、2017年に1人体制となったシンガーソングライターのCHEEZE。4人組時代からボーカルを務めてきたダルチョンの歌声は「透明感」「清涼感」そのもの。ドラマのOSTにも多数参加しており、韓国内での人気も高い。
映像美と奥深いストーリーが魅力のドラマ『サイコだけど大丈夫』の『너라서 고마워(キミでありがとう)』、チ・チャンウク主演、そして日本でも2025年4月にMBS/TBSでリメイク版が放送された『あやしいパートナー』の『어떨까 넌(How About You)』、田舎のジャガイモ研究所を舞台にロマンスコメディが繰り広げられている『ジャガイモ研究所(감자연구소)』の『꿈결처럼(Like a dream)』などを担当している。聴き心地がよい音楽ばかりなので、寝る前や心を落ち着かせたいときにぜひ聴いてほしい。
Crush(크러쉬)
2012年にシングル『Red Dress』でデビュー以来、韓国R&Bシーンの中心に立ってきたシンガーソングライター。「OSTといえばCrush!」といっても過言ではないほど、韓国ドラマファンにはお馴染みのアーティストだ。
日本で大人気の『梨泰院クラス』の『어떤 말도(No Words)』や『愛の不時着』の『둘만의 세상으로 가 (Let Us Go)』、多くのアイドルがカバーし、Crushが歌うOSTの代表ともいえる『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』の『beautiful』などを担当している。他のアーティストやアイドルとフィーチャリングすることも多く、楽曲ごとに違う一面を知れるのも聴いていて楽しい。好みの曲がきっとひとつは見つかるはずだ。
Standing Egg
2009年に結成されたプロジェクトグループ。メンバーをそれぞれegg1号・2号・3号と名乗っている。ソフトで癒される声とメロディが魅力。フォークやポップス、ジャズなど楽曲のジャンルも多彩だ。
パク・ヒョンシクとハン・ソヒ主演で話題となったドラマ『サウンドトラック#1』の『너만 예뻐(Prettiest One)』、『力の強い女ト・ボンスン』の『어떨까(How Would It Be)』など、ラブストーリーのOSTを多く担当している。
K-POPを入り口に韓国音楽に興味を持った方には、ぜひシンガーソングライターも味見してみてほしい。きっと、また新しい沼が見つかるはずだ。
文=豊田 祥子
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