『チャングム』の終盤で中宗の最期はどのように描かれたのか

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テレビ東京の韓流プレミアで放送されている『宮廷女官チャングムの誓い』。イ・ヨンエが主人公のチャングムを演じている本作で、朝鮮王朝第11代王・中宗(チュンジョン)に扮しているのがイム・ホである。

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8月30日に放送された第53話では、医女のチャングムに「大長今(テジャングム)」の称号を与え、自分の主治医に任命する中宗の様子が描かれていた。

しかし、ドラマの中で中宗は「腸閉塞(腸管の内容物がつまり、肛門側に移動できなくなった状態)」になってしまう。

そんな彼は、1544年11月15日に危篤になってしまい、その日の夕方に息を引き取った。享年は56歳だったのだが、どういうふうに亡くなったのだろうか。

「朝鮮王朝実録」の記述によると、医女の長今(チャングム)は中宗が重体になってからずっとそばで診察と看病に明け暮れていたので、彼女が中宗の臨終を見届けたのは間違いない。長今も精一杯のことをして、最期の王に尽くしたのであった。

しかし、『宮廷女官チャングムの誓い』では、イ・ヨンエが演じたチャングムは、中宗の臨終には立ち会っていない。それは、なぜなのか。

『チャングムの誓い』の中宗
『宮廷女官チャングムの誓い』ではイム・ホが中宗を演じた

死期を悟った中宗の王命

実は、自分がもう長くないことを悟った中宗があえてチャングムを王宮の外に出してしまったからだ。王の命令によって、チャングムは仕方なく最期の王に面会することができなかった。

それには理由がある。

当時は、王が亡くなったときには主治医が厳しく処罰されるというのが慣例だった。そうなると、王のそばにピッタリと付いていたチャングムも処罰を免れなくなる。そうした処罰を受けないようにするために、『宮廷女官チャングムの誓い』では中宗があえてチャングムを王宮の外に逃がしたのである。

自分が重病になっているのに、中宗はそこまでチャングムに配慮したのだ。ドラマではこのように、中宗がチャングムのことをとても大切にする様子が描かれていた。

その後の流れから言えば、中宗の死後はチャングムも王宮から離れて町中で暮らすようになったはずだ。『宮廷女官チャングムの誓い』では細かく描かれていないが、おそらくチャングムのことだから、町の中で医術を続けて多くの人の命を救ったのではないだろうか。

最初から最後まで面白く見ることができた『宮廷女官チャングムの誓い』。チャングムを演じたイ・ヨンエはもちろん、ミン・ジョンホに扮したチ・ジニ、中宗を演じたイム・ホなど多くの俳優がすばらしい演技を見せてくれた。

チ・ジニは現在、Netflixで配信されている『家いっぱいの愛』に出演してので、ぜひ彼の演技を堪能してほしい。

文=大地 康

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