Netflixで配信中の韓国ドラマ『ソウルの家から大企業に通うキム部長の物語』。大企業に長く務めるも役員昇進を目前に左遷され、最終的には希望退職して第2の人生を踏み出すキム・ナクス部長の姿が切なく描かれている。
このキム部長の妻パク・ハジンを演じている女優ミョン・セビンは、「今の時代を生きる妻たちの肖像」(『JTBCニュース』)など賛辞が絶えないが、彼女の演技の裏には、ドラマと重なるリアルな人生の痛みがある。
1996年にミュージックビデオでデビューし、1998年のドラマ『純粋』で“初恋のアイコン(象徴)”として一躍、青春スターとして輝いたミョン・セビン。
だが、2007年8月に弁護士と結婚するも翌2008年1月には離婚。離婚後の苦しく過酷だった現実と向き合った時期があったという。
最近出演したtvN『ユ・クイズ ON THE BLOCK』で、「『キム部長』では長く結婚生活を続けてきた夫婦を演じなければならないのに、(実際には)そうした経験が多くないので…」と切り出し、自らの離婚の歴史を明かしたのである。
2007年、11歳年上の弁護士と結婚したが、わずか5か月で離婚。そこから始まったのは、華やかな芸能人生とは対極にあった、「生存のため」の現実との闘いだった。
「離婚後は本当に生活が苦しかった。今月のカード代も払えず、“何を売ろうか”から始まった。バッグも含めて、売れるものは全部売った。本当に必死だった」
役者としての未来さえ見えなくなった彼女は、「もう演技を続けるのは難しいかもしれない」と思い、フラワーアレンジメントを習い始めた。結婚式場でのアルバイトで働き口を得たが、そこでも「隅でやっ」「見えない場所でやって」と言われたという。その言葉は、芸能界にいた頃とは対照的で、現実の底に落ちたようで強烈に胸に残ったらしい。
いまは『キム部長』で再び脚光を浴びるミョン・セビンだか、かつての痛みを糧にしているからこそ演技に真実味があるのかもしれない。
(構成=韓ドラLIFE編集部)
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