【大ヒットの鍵は序盤!】『太陽を抱く月』は「架空」が「史実」を超越したドラマ?

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テレビ東京の韓流プレミアは、このところ韓国時代劇の放送が続いている。長くオンエアされてきた『太宗 イ・バンウォン~龍の国~』が5月21日に終了し、今度は『太陽を抱く月』がスタートした。このドラマは、韓国MBCで2012年に放送されて40%以上の視聴率を挙げている。それほどメガヒットした傑作なのである。

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主演はキム・スヒョン。彼は直近では『涙の女王』で社会的なシンドロームを巻き起こすほど評判になり、「旬の俳優」のナンバーワンになっている。そんな彼が素敵な国王を演じていたのが『太陽を抱く月』なのである。

このドラマは、朝鮮王朝の架空の時代を設定して物語が作られている。つまり、関連する史実がないのである。しかし、朝鮮王朝時代の描き方が実に堂々としていた。

キム・ドフン監督も「朝鮮王室の制度や礼法についてはとことんリアリティを追求しました」と語っている。その言葉のとおり、『太陽を抱く月』は物語が架空でも時代設定は正統派だった。

ドラマの冒頭は、大妃(テビ/国王の母)の策略によって国王の異母弟が殺害される、という展開になっていた。こうした序盤はゾクゾクするほど緊迫感があった。その中で、特に大事なストーリーを紹介してみよう。

太陽を抱く月
画像=MBC

ドラマの大きな見どころ

世子フォン(ヨ・ジング)の婚約者に選ばれたのは、フォンの「初恋の人」であったヨヌ(キム・ユジョン)だ。2人の将来は希望に満ちていたが、大妃(王の母)の陰謀がそれを邪魔する。大妃は巫女を使ってヨヌを呪い殺そうとする。重病となってしまったヨヌは父の胸に抱かれて亡くなってしまうのだが……。

こんな展開で始まる『太陽を抱く月』。キム・ドフン監督は、「演出する際に大事だったのは、現実と非現実の境界線をぼかすことでした」と語っている。つまり、「非現実」を「現実」のように見せることで、恋愛とファンタジーを物語の中に奔放に注ぎ込んだのである。その試みは見事に成功している。そこがまた『太陽を抱く月』の大きな見どころになっている。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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