BS日テレでオンエアされている韓流時代劇ドラマ『奇皇后 ふたつの愛 涙の誓い』。奇皇后(キファンフ)とは、14世紀に高麗(コリョ)に生まれ元への貢女になるも、皇后まで登り詰めた実在の人物だ。
物語の重要なキーワードのひとつである「貢女」は、実在した制度。中国・元の支配を受けた高麗に、若い女性を貢物として贈呈することを要求したのだ。史実の奇皇后も、ドラマと同じく貢女として元に送られたひとりだ。そこで、彼女は元皇帝トゴン・テムルの目に留まり、寵愛を受けて側室として迎えられ、後に皇后となる。ドラマでは高麗の地で初めての出会いを果たすが、歴史書にはそうした記述は残されていない。
また、ドラマ最大の創作部分は、作中で熱烈な恋愛模様を描いたワン・ユとの関係性だ。時代設定的に、ワン・ユのモデルとされる高麗第28代王・忠恵王（だが、この王は高麗34人の王の中で、最も堕落した生活を送った暴君。当然ながら史実での奇皇后と恋仲だったという話はない。
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そのため、韓国では放映前はチュ・ジンモ演じる高麗王ワン・ユの描き方が原因で、ちょっとした論争もあった。架空の王という設定だったが、ドラマ内であまりにも美化していると指摘されたのだ。
一方でユニークなエピソードもある。
物語序盤、主人公ヤンは貢女の宿命から逃れるために男として生きる選択しスンニャンと名乗る。ハ・ジウォンは、巧みな乗馬技術と華麗な武芸で見事な男装演技を披露した。しかし、第１話中盤、夜道をひとりで歩いて、突然腕を掴まれるシーンの撮影中、ハ・ジウォンは思わず女性らしい悲鳴を上げてしまいあえなくNGに。撮影現場は、和やかな笑いに包まれたそうだ。
文=韓ドラLIFE編集部
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