『イルタ・スキャンダル』が描いたスター講師は実在する!彼らの“壮絶な生き様”とは

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Netflixで配信中の韓国ドラマ『イルタ・スキャンダル ~恋は特訓コースで~』(以下、『イルタ・スキャンダル』)が話題だ。

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口コミでじわじわと人気を伸ばし、最終回を迎えた今もNetflix内の「今日のTV番組TOP10(日本)」で上位をキープしている本作。軽い気持ちで見始めたのに、気づいたらハマったという人が多いようだ。

第1話の冒頭で映し出されるのは、受験戦争の聖地として有名な韓国・江南(カンナム)の塾街である。

韓国は大学受験競争が非常に熾烈(しれつ)な国であり、子どもを名門大学へ進学させるべくお受験に高額を費やす家庭が多い。韓国教育部による「2021年の小中高私教育費調査」の結果によると、学習塾や家庭教師などに支出された総額は23兆4000億ウォン(約2兆4250億円)で過去最大。なかでも月収800万ウォン(約82万円)以上の家庭は月平均59万3000ウォン(約6万円)を支出したという。

(画像=tvN)

教育熱心な親であれば、教育費の支出だけに留まらない。子どもをクルマで塾に送迎したり、人気講師の講義を申し込むために早朝から並んだりすることも珍しくないほどだ。

そんな韓国の教育熱がベースになったドラマ『イルタ・スキャンダル』は、数学のNo.1スター講師であるチェ・チヨル(チョン・ギョンホ)と、彼の講義を受けたがる娘のために私教育の世界に飛び込んだ惣菜屋の店主ナム・ヘンソン(チョン・ドヨン)のロマンスが軸になっているが、見どころはそれだけではない。ちなみにタイトルのイルタとは「1等(イルトゥン)スター」の略語で、塾業界において「トップスター」の意味を持つ。

ドラマを見ていると、誰もがスター講師・チヨルの生き様に注目せざるを得ないはずだ。

その指導ノウハウで年平均1兆ウォン(約1040億円)の経済価値を生み出す彼は、自分の実力にプライドを持ち、学生たちと真摯に向き合う姿勢で学生や親たちから絶大な信頼を得た。売れっ子芸能人さながらのスケジュールで毎日を送るのはもちろん、一挙一動が人々の話題に上がり、グッズまで販売される“受験生のアイドル”。日本の林修先生顔負けの人気者なのだ。

(画像=tvN)

実際に韓国にも、チヨルのようなスター講師が各科目別に何人か存在する。

なかでも有名なのは、ガールズグループTWICEの日本人メンバー、サナに似ていることで有名な社会科のNo.1スター講師イ・ジヨンだ。彼女は以前、「2014年以降、年俸が100億ウォン(約10億3600万円)以下に下がったことがない」という発言をして話題を集めた。全国に350万人の教え子がいる彼女の講義は、アイドルのファンミーティングを彷彿させるという。

イ・ジヨンが明かした1日のスケジュールはこうだ。毎日4時半に起きて身だしなみを整え、6時に出社。朝の9時から夜の22時まで休まずに講義をし、23時に退勤。家に帰って講義以外の業務を処理してから深夜1時に眠る。ランボルギーニ ウラカン、アヴェンタドールS、フェラーリ 458など、数台のスーパーカーを保有しているというが、はたしてドライブを楽しむ時間があるかどうかは疑問だ。

富と名誉を手に入れたスター講師たちの華やかな姿の裏に、苦労がつきまとうのはある意味当然かもしれない。『イルタ・スキャンダル』のチヨルもそうだ。彼は1兆ウォンの経済価値を持つ男だが、摂食障害のため何を食べても吐き出してしまうし、睡眠薬がないと眠れない生活を送る。

(画像=tvN)

彼の10分は1700万ウォン(約176万円)、30分は5000万ウォン(約518万円)の価値に換算できるが、彼にとって本当に価値があるのはお金ではなく、唯一最後まで美味しく食べられたヘンソンの手作りお弁当だった。

そのお弁当がもたらした甘くほろ苦いラブコメを楽しむうちに、世の中には数字では換算できない価値があるというメッセージをそっと投げかけてくるのも『イルタ・スキャンダル』の美徳である。軽い気持ちで1話だけでも見てみてほしい。きっといろいろな気づきがあるはずだ。

文=李 ハナ

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