『初、恋のために』の見どころ解説「キーワードは母と娘の“初恋”」

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U-NEXTで配信中の韓国ドラマ『初、恋のために』は、母と娘という二世代の視線から、永遠のテーマである初恋を鮮やかに紡ぎ出す、人肌の温もりと切なさが同居するヒューマンロマンスである。

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日常のただ中にふいに訪れる新たな恋の予感。その胸を震わせる鼓動と、過去の思い出と未来の希望の狭間で揺れる心模様が、柔らかな光と影の中で描かれていく。

登場するのは、日々を全力で駆け抜けてきた女性たち。彼女たちは、迷いと覚悟を抱えながらも今日という瞬間を力強く生き抜こうとする。

主人公イ・ジアン(演者ヨム・ジョンア)は、建設現場を指揮する熟練の現場監督。鋼のような意志と揺るぎない信頼を武器に、男性中心の世界でチームを率いるカリスマ的存在である。しかし、プライベートでは医大に通う娘を持つシングルマザーとして、母としての不安や孤独も抱える。

そんな彼女の前に、運命を揺るがす再会が訪れる。それは、かつて心を焦がした初恋の人、頑なな性格の建築士リュ・ジョンソク(演者パク・ヘジュン)との思いがけない距離の近づきであった。

『初、恋のために』
(写真=tvN)

珠玉のヒューマンロマンス

一方、娘イ・ヒョリ(演者チェ・ユンジ)は、真面目に医大生としての道を歩んでいたが、青年農夫リュ・ボヒョン(演者キム・ミンギュ)との出会いにより、心の奥底に芽生えた未知の感情に戸惑い始める。

母と娘、それぞれの心に訪れた始まりの恋は、互いの人生を映し合いながら、成長への扉をそっと開いていく。

本作の魅力は、恋愛模様だけでなく、家族・友人・同僚といった人との関わりの中で生まれる絆や葛藤を深く描く点にある。時に激しくぶつかり、時に静かに寄り添う。その繰り返しが、観る者に人間関係の温かさと儚さを同時に思い出させる。

成熟した世代が紡ぐ深いロマンスと、若い世代の瑞々しい恋のきらめきが交錯し、幅広い層の心を揺さぶる物語となっている。

『初、恋のために』は、人生の後半にも恋は訪れ、その瞬間は決して遅すぎることはないと、静かに力強く語りかけ、忘れかけていた初恋の甘酸っぱさを呼び覚まし、観る者の胸に新しい光を宿す。それは、人生のどの季節にも恋が咲くことを教えてくれる、珠玉の物語である。

文=大地 康

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