U-NEXTで配信中の韓国ドラマ『初、恋のために』は、世代を越えて胸を打つヒューマンロマンスである。物語の軸にあるのは“初恋”という普遍的で切ない感情だ。
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それを母と娘という2つの視点から描き、人生の異なるステージに立つ女性たちが、それぞれの場所で出会い、心を揺らす瞬間を繊細に紡いでいく。
若さの中で芽生える無垢なときめきも、人生の半ばを過ぎてから訪れる予期せぬ恋の衝動も、同じように人を輝かせる温かな真理が、静かな余韻とともに観る者の心に残る。
パク・ヘジュンが演じるのは、物語の鍵を握るリュ・ジョンソク。国際的な賞を手にした経歴を持つ建築家で、チョンヘで“リュウ建築事務所”を営む人物だ。
離婚後は息子リュ・ボヒョン(演者キム・ミンギュ)と暮らし、父としての責任と仕事人としての情熱を両立させている。端正な外見に加え、毒舌混じりの辛口な物言いと人を惹きつける知性が相まって、複雑な魅力を放つキャラクターである。
パク・ヘジュンは、これまでも数多くの人気作で存在感を示してきた俳優だ。社会派ドラマ『ミセン-未生-』では、営業3チーム課長チョン・グァヌンを演じ、『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』では、イ・ソンギュン演じるパク・ドンフンの友人で僧侶のギョムドクに扮した。
また、『The 8 Show ~極限のマネーショー~』ではマネーショーの参加者で元野球選手のテソクとして極限状態の心理戦を熱演し、『おつかれさま』ではパク・ボゴム演じる鮮魚店の息子ヤン・グァンシクの中年時代を味わい深く描いた。
その演技は、役柄の年齢や職業を問わず、人物の背景や内面を丁寧に表現する緻密さに定評がある。
『初、恋のために』においても、パク・ヘジュンは建築家としてのプロフェッショナルな姿と、父親としての不器用な優しさを巧みに織り交ぜ、物語に深みを与えている。
視聴者は彼の演じるジョンソクを通じて、人生のどの瞬間にも恋が芽生える可能性があるという希望を感じ取るだろう。
文=大地 康
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