俳優パク・ヘジュンにはとてもいい印象があった。なんといっても『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』で演じた僧侶ギョムドクの役が良かった。
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町内で一番の成績をあげながら大学進学もせずに僧侶になってしまったギョムドク。内面的に独自の世界観を持っていた。
イ・ソンギュンとIUが主演した『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』の中でも、非常に好感の持てるギョムドクに扮していたのがパク・ヘジュンだ。彼は今回の『おつかれさま』では、パク・ボゴムが演じていたヤン・グァンシクの中年になった姿として登場した。
もともと言葉が少ないキャラなのだが、中年になったグァンシクはさらに寡黙だった。黙々と働いて家族のために尽くすという役割で、活発な妻エスン(演者ムン・ソリ)と比べれば控えめな性格だった。
しかし、ここぞというときには骨太な姿も見せていた。娘のクムミョン(演者IU)と婚約者ヨンボム(演者イ・ジュニョン)の両家顔合わせがあった場面で、握手をするときのグァンシクの両手は本当にゴツゴツしていた。いかにも長い間厳しい仕事をしてきたという感じだ。
そのことをヨンボムの母が蔑んだようだったが、とんでもないことだ。グァンシクのゴツゴツした手こそが、彼が若いときから家族のために一生懸命働いてきた証だ。
結局、クムミョンが結婚を取りやめて実家に戻ってきたとき、グァンシクはクムミョンの好物をたくさん買ってきて娘を慰めていた。
さらに早朝、クムミョンを呼び出して2人で夜明け前の海に出かけた。そこで2人が見たのは輝かしく昇ってくる朝日だ。素晴らしい生命力に満ちていた光景…これをグァンシクはクムミョンに見せてあげたかった。これこそが父親の親心だった。
言葉は少なくとも態度で見せるグァンシクを、パク・ヘジュンが真摯に演じていた。誠実な姿も純朴に見せていて、彼はやはり余韻のあるイメージを持った俳優なのである。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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